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  • 広瀬すずをアイコンにした岩井俊二の傑作! 映画『ラストレター』

    広瀬すずをアイコンにした岩井俊二の傑作! 映画『ラストレター』

    映画『ラストレター』

    ラストレター

    君にまだずっと
     恋してるって言ったら
      信じますか?

    堂々のロリコン映画の傑作!

    21歳(1998年生まれ)の広瀬すずと18歳の森七菜(2001年生まれ)が高校生役に!

    本当の岩井俊二監督作品が帰ってきた!という興奮が冷めない、広瀬すずの高校生役が『海街diary』と被ります。
    岩井俊二監督のかつての傑作『Love Letter』と同様に一人二役で、現在と過去を絡めていきます。

    広瀬すずは、作品によって見え方が大きく変わる女優ですが、この作品では彼女の魅力が光ります。
    一方、森七菜の清々しさと広瀬すずとの立ち位置が、映像的にも絶妙で、流石!ロリコン監督岩井俊二の面目躍如といったところです。

    一方で、珍しい『花とアリス』以来の東宝作品、プロデュースは『悪人』『君の名は。』『怒り』『天気の子』の川村元気。
    当初の岩井俊二の持っていた企画を、川村元気Pが大幅に変更を依頼して、今作品に至ったとのこと・・・不倫に近い関係を匂わせた物語や衝撃的な結末も、川村元気の鬱(うつ)の部分がよく現れているような気がします。
    (『世界から猫が消えたなら』は余命宣告をされた若者が鬱になり妄想を見て、『億男』では億万長者になった妄想にとりつかれた鬱男の話でもあり・・・世界が崩壊しようが二人の愛が大切な『君の名は。』等、川村元気Pの作品群はどこか、ズレた若者像が存在します)

    だからこそ、映像で広瀬すずと森七菜の若さが光ると思います。
    そして、今まで岩井俊二監督作品を愛してきた人には、やっとこの立ち位置に戻ってきてくれた、そんな感想を抱く作品になっています。

    タイトルも似ている『Love Letter』との共通性

    『Love Letter』『スワロウテイル』『花とアリス』『リップヴァンウィンクルの花嫁』と数々の名作を世に送り出してきた映画監督・岩井俊二。
    初めて出身地である宮城(や地元仙台)を舞台に、手紙の行き違いをきっかけに始まったふたつの世代の男女の恋愛と、それぞれの心の再生と成長を描く。

    初期の名作『Love Letter』と通じる世界観があります、その大きな要因は、まず、物語の前半と後半が大きく変わっていきます。
    今作品では、前半は松たか子が演じる裕里を中心に物語が進み、後半は福山雅治演じる鏡史郎、そして広瀬すずが演じる一人二役へと繋がっていきます。

    『Love Letter』は中山美穂が一人二役を演じていたのと同様に、今作品ではより複雑に、一人二役、二人一役と物語が紡がれて行きます。

    そして『Love Letter』とは直接関係はないものの、『Love Letter』の主人公二人、中山美穂と豊川悦司が、夫婦役(内縁)で出てきます。
    但し、『Love Letter』と『ラストレター』では直接、物語のつながりもなく、共通の登場人物や場所もありません。
    ただ、『Love Letter』が撮影された当時は、日本にもまだまだ成長し続け希望もある明るい時代ですが、『ラストレター』ではその後の四半世紀で大きく、挫折や絶望にあふれる時代になったのかもしれません。

    また面白いのは、少し話はズレますが、もう一人の日本の映画界の第一人者・是枝裕和監督との作品との関連性。
    前述の『海街diary』では広瀬すずを高校生役に瑞々しく、一方で縁や血の繋がりを演じさせることでそのキャラクターを輝かせていました。
    この作品では、男に翻弄されて人生を誤った女性と、一人のおじさんのオマージュの対象の少女という二面性に処女性と女性の欲深さを感じさせるところが面白い。

    合わせて、『そして父になる』のエリートビジネスマンでありながら、駄目な父親像とも被る、うだつの上がらない小説家役が、二枚目の福山雅治が演じることで、過去とのギャップという点で、上手く演出している。
    その点で、岩井俊二の中の『Love Letter』と『ラストレター』の時代の流れ、是枝裕和監督との現代の見え方という点で興味深い。

    他に『エヴァンゲリオン』の庵野秀明や神木隆之介が出演という東宝ならではの豪華キャスト。
    私には、岩井俊二監督の過去作品と比べても最も好きな作品となりました。

    映画『ラストレター』

  • 映画『ゴッドファーザー』 マフィアを描いた伝説の名作にしてアメリカ映画の最高峰

    映画『ゴッドファーザー』 マフィアを描いた伝説の名作にしてアメリカ映画の最高峰

    映画『ゴッドファーザー』 THE GODFATHER

    ゴッドファーザー 三部作

    映画『ゴッドファーザー』シリーズ・ベストバリューBlu-rayセット

    映画『ゴッドファーザー』(1972年)

    ゴッドファーザー

    コッポラ監督の生涯の傑作であり、映画史上に残る作品、この後、PARTⅡ、PARTⅢとシリーズ化される。
    ここで、コッポラ監督の作品に対するテーマは二つ有ると思われる。
    一つは、アメリカ資本主義に対する批判、二つ目はイタリア系アメリカ人に対する差別。
    マフィアと警察、政治家、芸能人との関わりを、アメリカ資本主義の一つの側面と捉え、権力・金のためには手段を選ばず、プライドも無い人々が描かれる。
    またアメリカの差別社会、アメリカ社会の頂点に立つイングランド系アメリカ人、その下にアイルランド系やイタリア系、そしてユダヤ系、はるか下の方にアジア系、そして黒人がいる。
    白人社会においては、イタリア系は下の存在に見られる。
    アメリカ資本主義に勝ち残るためには、暴力で力を得ることが必要な事を描いている。
    イタリア系アメリカ人の団結心や故郷シチリアでの家族の絆を描くことによって、一般的アメリカ人に支配されるアメリカ資本主義と比較している。
    お祖父さんから孫まで、一緒に食事を取るシーンなどの大家族主義、絢爛豪華なパーティー・シーン、また衝撃的な殺人シーンなど、本来のテーマよりイタリア・マフィア一家の一大叙事詩的な部分が強まっている。
    そう言った楽しみ方も十分に出来るが...

    マフィア映画としての醍醐味は、その壮絶なシーンの重量感、またそれぞれのシーンの構成の素晴らしさは、見応えか十分。
    冒頭の“ドン”の存在感の演出はもちろん、病院での緊張感溢れる画面構成。
    ラスト近くの洗礼と暗殺シーンが交互にカットバックする見事な演出。

    3時間近くに及ぶ大作でありながら、シーン一つ一つが印象的で、しかも冗長さも感じられない。
    演出、編集の良さ、脚本の面白さ、どれも秀逸、ニーノ・ロータの音楽は映画史上に残る印象的なもの。

    この後、SFXの発達により、殺人シーン等のリアリティーさで、この作品を上回る作品は有るものの、見せ方の巧さで、この作品を上回る作品は無い。
    続編の『ゴッドファーザーPARTⅡ』も、この作品に負けず素晴らしい出来の作品。
    このシリーズは『ゴッドファーザーPARTⅢ』で完結する。

    Reviewed in 03.1999

    映画『ゴッドファーザー』 PART 1 1972年 [ マーロン・ブランド ]

    映画『ゴッドファーザーPARTⅡ』(1974年)

    なんと前作『ゴッドファーザー』に続いて、アカデミー賞作品賞を授賞するという快挙を成し遂げた作品。
    大きなテーマは、前作と同様にアメリカ資本主義の中のイタリア系アメリカ人を描くこと。

    ビトー・コルレオーネのイタリアでの幼少の頃から、アメリカに渡り“ドン”に成り上がるまでの話と、父親からその地位を受け継いだマイケル・コールレオーネの苦悩を同時に描く。

    映画的な楽しみは、第一作を遙かに凌ぐ演出の上手さ。
    2つの時代の出来事を上手く、交互に見せてくる、しかもそれが二人の主人公、若きビトーとマイケルの成長という点で一致している。
    脚本・編集の巧さは、この作品の醍醐味と言える。
    これによって、話に躍動感が生まれて、より一大叙事詩的な面白みが出ている。
    物語が面白く描かれれば描かれる程、本来のテーマから離れ、壮大な人間ドラマになってしまっている点は否めないが、それでも十分(以上)に楽しめる作品。

    前作同様に俳優陣の充実ぶりは素晴らしい。
    アル・パチーノ、ロバート・デュバル、ダイアン・キートン・・・数え切れない程のスターが出演(と言うか、この作品以後に超一流になっている)している。
    しかも全員が素晴らしい演技を披露。
    個々のキャラクターが、その存在感をきっちりと出している。
    極めつけは、若き日のビトー・コルレオーネを演じたロバート・デニーロの圧倒的な存在感。
    また1977年に『ゴッドファーザー・サガ』や、1981年の『ゴッドファーザー 1901-1959/特別完全版』で、PARTⅠとPARTⅡを時代順に並べ替え、監督自らが、再編集したものが出ている。
    こちらの作品も、一つの作品として非常に楽しめる。
    話自体の構成が変わってくるので、違う作品として見ることも出来る。
    機会が有れば、こちらも是非観て欲しい逸品。

    Reviewed in 03.1999

    映画『ゴッドファーザー PART 2』 1974年 [ アル・パチーノ ]

    映画『ゴッドファーザーPARTⅢ』(1990年)

    ゴッドファーザーPARTⅢ

    1974年に公開された『ゴッドファーザーPARTⅡ』から実に16年ぶりに作られた、シリーズ完結編。
    遂にと言う感が強かった作品。

    決してストーリーとしてもつまらない作品ではない。
    マフィア映画の王道を行く作品として現代化され、銃撃シーンもリアリティーも有り迫力も増している。
    ヘリコプターからの銃撃シーンは圧巻。
    また新しく入った俳優陣、アンディ・ガルシアも、第一作のジェームズ・カーンのやった役の血の気の多い、コルレオーネ家の長男の息子役を好演している。

    ただ残念なのが、時代は’90年代に入り、当初、このシリーズが持っていた、イタリア系アメリカ人と言う位置付けが薄らいでいること。
    この作品でも語られているが、この頃になるとイタリア系もビジネス界で認知され、既に社会の一部に組み込まれた存在になっている事。
    従って差別される位置づけではないことや、結局、このシリーズを上手く終結させるためのストーリーになってしまっている事。

    コッポラの演出・編集等には、いささかの衰えは感じないものの、時代の移り変わりが、テーマの存在感を奪い取ってしまったのが、この作品には不幸だったと言える。

    また美男子のアンディ・ガルシアとの連相手は、当初、ヴィノナ・ライダーが出る予定だったが体調を崩して出れず、コッポラの娘が出演。
    残念ながら、その容姿と演技力には疑問点が付いた。
    ヴィノナ・ライダーのような華のある女優が出ることによって、また違った演出も有ったかもしれないが...。

    『ゴッドファーザー』、『ゴッドファーザーPARTⅡ』の続編という宿命と、時代の移り変わりと言うものに翻弄された作品では有るが、十分に作品としては楽しめる一本になっている。

    Reviewed in 03.1999

    映画『ゴッドファーザー PART 3』 1990年 [ アル・パチーノ ]

  • 映画『この森で、天使はバスを降りた』 切なく泣ける隠れた名作

    映画『この森で、天使はバスを降りた』 切なく泣ける隠れた名作

    映画『この森で、天使はバスを降りた』 THE SPITFIRE GRILL

    この森で、天使はバスを降りた

    誰にも言えない過去を抱えて、 彼女はここにやって来た–。
    凍てついた心を癒せるのは 傷ついた心だけ…。

    Amazonビデオで配信中!

    この森で、天使はバスを降りた(字幕版) — Amazonで見る

    人が背負う過去は、果たして癒されていくのだろうか?

    過去とは、未来が一瞬の現在を通り過ぎて生まれていくもの。
    人々は、その一瞬の中に自分の自身の道筋を決めていく。
    人々の決断は何によって行われるのだろうか?それは、その人がそれまで生きてきた人生、そう過去を引きずって生きている。
    人は過去を捨て去ることは出来ない。
    しかし過去の経験から、自分の未来を変えていくことは出来るはず。

    主人公パーシー(アリソン・エリオット)は、自分の過去に重い傷みを感じながら生きている。
    人生の出直しを考えた時、緑深いギリアドの町を選ぶ。
    町と言うには小さい、村という表現があっているかもしれない。

    そこは緑に囲まれた美しい風景が広がる。
    人は美しい自然を目の当たりにした時、自分の存在の小ささに気付き、そして自分の過去の重さが、どれほどのものか、いや如何に小さいものかを自覚する。彼女は自ら、それを自覚することに依って、自分の未来を変えようとする。

    彼女のか細い身体から、そのオーラが発せられたとき、周りの人々も少しずつ変化を無意識のうちに求めていく。
    スピットファイア・グリルの店主ハナ(エレン・バースティン)、息子を失った悲しみから頑なに心を閉ざす姿が、少しずつなにかが変わっていく。
    料理と洗濯しか出来なかったシェルビーも、彼女との出会いの中で、自分自身を見つめ行動を起こす。

    田舎のぼくとつとした青年ジョーも、この森の中の生活に光明を見いだそうと動き出す。
    そして森の住人ジョニー・Bも・・・

    パーシーが森を抜け小高い丘の上で歌を口ずさむ・・・大自然の中で自分の心を口ずさむ、そこへジョニー・Bが現れる。
    人と人の心が共鳴しあい、変化を生み出す瞬間の輝きがそこに存在する。

    この街を守ろうと、部外者の侵入に心を痛めるイーサンは、パーシーの発するオーラに恐怖する。
    彼も、自分の過去に小さな傷を持っている・・・

    作文コンテストの賞金がなくなった事件を境に、人々の暗い過去が、この自然にあふれた街の中に引きずり出される。
    そしてこの事件で、パーシーが命を落とす・・・

    それ自体は悲しい出来事、この事件がギリアドの人々の中に一つの重い過去と言う十字架を背負わせる。
    しかし、その死と同時にパーシーが残したものは、その過去を背負いながらも、自分自身しか未来を変えることは出来ない、人は自分の過去は変えることは出来なくても、未来を変えることが出来ると言うことを教えてくれた事だった。

    ハナとシェルビーは、作文コンテストを最後までやり遂げ、店を手にした親子を街に向かい入れる。
    人は自分の過去と向かい合い、そして未来を創っていく、人にはそれが出来る。
    パーシーは人々にそれを教えてくれた、だからこそその人の姿に感動し涙することが出来る。

    パーシー役のアリソン・エリオットの美しさ、どこか弱々しさと瑞々しさが混じり合った姿、演技が素晴らしい。

    そしてアメリカと言う国土の広さとその美しさに、改めて驚きを感じる。

    『タイタニック』でアカデミー賞を授賞したジェームズ・ホーナーの音楽は『タイタニック』のそれ以上に感動を与える旋律を持っていた。

    Reviewed in 02.2000

    その後のアリソン・エリオット

    アリソン・エリオット
    アリソン・エリオット

    サンダンス映画祭で観客賞をとって、当時の東京でミニシアター系と呼ばれる作品としてヒットをし、隠れた名作として話題になった作品。
    監督のリー・デヴィッド・ズロートフはTVディレクター出身で、この作品の前後でも映画は作ってないらしい。

    主演を演じたアリソン・エリオットは、この後、話題作『鳩の翼』にヘレナ・ボナム・カーターと共演したり、その他主演作もあるが、2000年以降はたまに小さな役で映画に出演しているのみで日本未公開が多く、TVシリーズへの出演が散見されるのみ。
    久々に『20センチュリー・ウーマン』(2016)で小さな役で出演がある。

    彼女はもっと活躍すると期待してましたが、残念ながら大きな役で見ることはありませんでした。
    この作品から20年が経って、1970年生まれの彼女は大人の女性として今も美しいようです。

    アリソン・エリオット
    最近のアリソン・エリオット

    映画『この森で、天使はバスを降りた』のデータ

    この森で、天使はバスを降りた DVD — Amazonで見る

    THE SPITFIRE GRILL 116分 1996年 アメリカ
    監督■リー・デヴィッド・ズロートフ
    製作■フォレスト・マーレイ
    脚本■リー・デヴィッド・ズロートフ
    撮影■ロブ・ドレイパー
    音楽■ジェームズ・ホーナー
    編集■マージ・グッドスピード
    美術■ハワード・カミングス
    出演■アリソン・エリオット/エレン・バースティン/マルシア・ゲイ・ハーデン/ウィル・パットン/キーラン・マローニー/ゲイラード・サーテイン/ジョン・M・ジャクソン/ルイーズ・デ・コーミア

    サンダンス映画祭 1996年
    観客賞授賞

    <ストーリー>

    ある冬の夜、パーシー(アリソン・エリオット)はたった一人、田舎町ギリアドのバス停に降り立った。
    古ぼけたレストラン“スピットファイアー・グリル”で働き始め た突然の来訪者に、住人たちは好奇の目を向ける。
    一人息子を戦争で失ったグリルの女主人ハナ(エレン・バースティン)。
    家庭に悩みを抱えた主婦シェルビー(マルシア・ゲイ・ハーデン)。
    町を囲む美しい森にすら無関心になった人々。
    そんな傷ついた心を、パーシーはその純粋な優しさで包み込み癒していく。
    しかし彼女自身、誰にも言えない過去を抱えていた・・・。

  • 映画『風と共に去りぬ』 ハリウッド映画史に残る不朽名作を語ってみる

    映画『風と共に去りぬ』 ハリウッド映画史に残る不朽名作を語ってみる

    映画『風と共に去りぬ』 GONE WITH THE WIND

    風と共に去りぬ

    雄大なスケールの中に燃え上がる炎の恋!映画史に輝く不朽の名作(リバイバル時)

    映画史上、燦然と輝く愛の金字塔!!
    炎のごとく燃え上がる世紀のロマンを雄大、華麗に描いた永遠・不朽の名作(リバイバル時)

    主人公スカーレットとヴィヴィアン・リーの奇跡の出会い

    一番最初にこの作品を観たときは、その良さが全く判らなかった!余りにも幼すぎて・・・
    その後、観たときに感動と共に大きなショックを受けた作品。
    アカデミー賞の監督賞を取ったフレミング監督と共に、映画の後半はジョージ・キューカー監督がメガホンをとった。

    作品としては、その影響もあり2部構成のような作りになっている。
    フレミングはあくまで大河ドラマとしてこの作品を撮り続け、キューカーは人間ドラマとして撮った。
    それでも、この作品が成功したのはプロデューサー・セルズニックの執念の現れだろう。

    当時、最新のカラー技術を用いて、映像的な美しさを演出したのはもちろん、セットも豪華に組まれた。
    俳優陣も、これ以上はないと言っても間違いないだろう。
    レット・バトラー役は、当時はクラーク・ゲイブル以外考えられなかったし、スカーレット・オハラ役はヴィヴィアン・リーを発見することが出来た。
    彼女にとっては、この作品に出たことによって一気にスターダムにのし上がった。
    これだけのスターが出演しながら、それぞれの配役がピッタリとマッチしている点も、今後はなしえないことだろう。

    ヴィヴィアン・リーの発見には逸話が残るぐらい有名。
    数多くの有名な女優がカメラテストを受けたが、恋人でありイギリスの名優ローレンス・オリビエと共にハリウッドを訪れた彼女に、白羽の矢が立ったのは有名な話。

    原作も、ミッチェル女史が南北戦争の話を伝え聞いたことを書き綴った部分と、彼女自身の体験を盛り込んだ話として書かれ、当時の大ベストセラーでもあった。
    ミッチェル女史自身が、かなりの美貌の持ち主であり資産家の娘だったことを考えると、スカーレットはミッチェル自身とも言える。

    この作品の素晴らしい点は、そのテーマにあった。
    確かに最高の俳優に恵まれ、湯水の如くお金を使い、原作にも恵まれた。
    やはりスカーレットの生き様を、南北戦争という大河ドラマをしっかり描きつつ、それに負けない力強さを持って描いていたことだ。
    それは上にも書いたとおり、いくつかの偶然(原作が既に持っていたスカーレット像と、それを演じきれるヴィヴィアン・リーという女優の存在)によってなされた。

    アトランタからタラに戻るシーンで、枯れ果てた木の傍らで力強く立ち上がるスカーレット、レッド・バトラーが去った後でもくじけない、スカーレットの精神的な強さ。
    そこには、アメリカン・スピリットと言う言葉では片づけられない、人間として逞しさ勇気を感じることが出来た。
    このテーマを見事に描き切り、傑作として映画史を語る上で、忘れることの出来ない作品となった。

    Reviewed in 11.1998

    風と共に去りぬ

    人間のドラマの全てが詰まった作品

    久しぶりにこの作品を観た。
    前回観たのは5,6年前でビデオ、映画館で観るのは十数年ぶり。
    今回の上映は、60年前のテクニカラーを再現する事を一番に考え処理したもの。
    今年でちょうど60周年記念と言うこと。

    映像自体は明らかにビデオに比べると美しく、映画館で聞く音楽はまた一段と良い。
    但し、今回の上映館、有楽町スバル座は音響設備が余り良くなかったのが残念。

    それはさておき、何度目か(十数度目か?)の鑑賞になるこの作品。
    何度観ても素晴らしさを実感せずにはいられない作品。
    今回はその素晴らしい点を色々発見する事も出来た。

    まずその最初がドラマとしての素晴らしさ。
    とにかく物語が面白い、それは原作者マーガレット・ミッチェルの功績で有る事は間違いない。
    四人の主人公(レット、スカーレット、アシュレーにメラニー)が魅力的であること。
    理想の男性像としてはレットであり、理想の女性像としてはメラニーなのだろう。
    が、優柔不断さと優しさが混在するアシュレーもまた一つの男性像だし、気が強くわがままで利己的なスカーレットもまた一つの女性像の憧れの姿だと思える。
    その四人の主人公が、アメリカ最大の内乱、南北戦争を舞台にして波瀾万丈の人生を送る。
    大河ドラマと人間ドラマが混在する。
    色々な愛の形を描きながらも、家族の絆や友情、そして奴隷制度や南部の文化も描いている。

    そしてこの劇的なドラマ性を持った小説を、見事に映像化したことの素晴らしさ。
    それは破綻のない演出もしかり、お金をふんだんに掛けたセットもしかり、で有る。

    ここに描かれるテーマは人間の本当の強さとは何か?人間が生き残るには何が必要か?と言うことだと思う。
    だからこそ、今でも人々の心を強く打つのだろう。

    この映画にはおそらく、これからも起こり得ない偶然がいくつも重なって、奇跡が生まれたと言った方が良いのかもしれない。
    それは60年前と言う映画の一番良い時代、ハリウッドの映画製作のシステムが完成した時期で有り、未だ初期の映画作りの純粋さを残していた時期でも有った。
    そして意欲的でバイタリティあふれるプロデューサー、デビッド・O・セルズニックの手元に、この小説が渡ったこと。
    更にクラーク・ゲイブルとヴィヴィアン・リーと言う二人の俳優が存在したこと。
    最後の偶然は、この時期、本格的にカラー映画が出てきたこと(この映画ができたのは第二次世界大戦前である!)。

    小学生の頃、この作品を観たときに、レットの男らしさを理解できず、スカーレットの魅力も理解できなかった。
    ただ壮大なドラマだけに感心したに過ぎなかった。
    それが少しずつ時間が経つにつれて、男女の愛に感動するようになった。

    そして今回は親子の愛情、それに涙する事が出来る年齢になった。
    オハラ親子の愛、レットの娘への溺愛、家族の大切さ...それらもこの作品、開拓精神旺盛なアメリカ人の心のより処、それが家族であることが、今、 この年齢になって理解できる。

    良い映画を何度も観ることの素晴らしさ!それができることが映画の素晴らしさである。
    そしてそう言う映画に出会えることこそが、(一つの)人生の喜びでもある。

    今回、60年前のテクニカラーの美しさ、音楽にのって冒頭のタイトルが出るシーンから心揺さぶられる。
    そして、スカーレットは言う「明日は明日の風が吹く」と。
    その姿こそが、人を強くして生きる道標をとなることを、人々の心に植え付けていく...永遠に!

    Reviewed in 11.1999

  • 映画『ウェイクアップ!ネッド』 アイルランドの美しい情景と人間賛歌!

    映画『ウェイクアップ!ネッド』 アイルランドの美しい情景と人間賛歌!

    映画『ウェイクアップ!ネッド』 Waking Ned

    ウェイクアップ!ネッド

    ネコばばる?

    人間に一番大切なものは、人生を楽しむこと!

    アイルランドの寒村で12億円の宝くじが当たったことが判る、小さな村で誰が当選者か?村中が大騒動となるが、当選者は喜びのあまり心臓発作で昇天していた!
    村の人々は代役を立てて賞金を手に入れようと右往左往する。

    この映画を見終わった時、ふと自分を振り返る。
    人間ってなんだろう?って。
    人間って欲の皮が突っ張った存在?そしてそれは人々が住んでいる地上・・・自然から見ればちっぽけなものなんだろうなぁ~と。

    ここに出てくる人々は、本当に小さな村の人々。
    その人々が、一枚の宝くじを巡って右往左往する。
    なんでそんな事になるのか?それは人間の持つ欲。
    決して大きな欲ではない、それでも大金が手に入るかも!?でも、そのお金の使い道は、結婚資金だったり、飲み代だったりとつつましい。

    結局、自分が生きてきた世界の枠からはみ出ることは出来ない人々。
    だから彼らの欲張りな行動も、結局は微笑ましく感じてしまうに違いない。
    彼らにとっては、普段のそれまで続けてきた生活、それをほんのちょっと良くなれば、それだけで満足。
    大金が入ったからと言って、結局はそのちょっとの満足で納得してしまうに違いない。
    だから、彼らはお金にこだわっているのではなく、そのお金で手に入れられる、ほんのちょっとの幸せを求めているのだと思う。

    余りにも緑(自然)が美しい!彼らは既に自然という一番の宝物を持った人々。
    だから、きっと心が豊かでほんのちょっとの幸せで満足してしまうのだろう。

    自分を振り返ると(汗)そう、いつしか自然からは遠く離れたところに生きている。
    だから必要以上に欲張り、そのためにあくせく働いているのかもしれない。

    人間にとって一番必要なものは何か?大切なものは?この作品はそんな事を語りかけてくる。
    そして彼らは、宝くじを手に入れたことを、自然に向かって酒を持って感謝する(笑)

    アイルランドを舞台にした、本当に緑が美しい映像。
    撮影は、あの『スカートの翼ひろげて』のヘンリー・ブラハムという人。
    緑はアイルランドのナショナル・カラーでもある、その色を見事に表現した映像は、この作品をより際立たせてくれた。

    そしてショーン・デイヴィの手による音楽、イーリアン・パイプやフィドルといったアイルランド伝統の楽器を使っての演奏が印象的。

    主役の二人、それを囲む村の人々を演じた俳優達も味わいが有り、一層、作品を引き立たせた。
    こんなに美しい作品、映画館で観ることが出来なかったのが、唯一残念なことだった。

    Reviewed in 12.2000 

    映画『ウェイクアップ!ネッド』のデータ

    ウェイクアップ!ネッド DVD — Amazonで見る

    WAKING NED DIVINE 92分 1998年 イギリス

    監督■カーク・ジョーンズ
    製作■グリニス・ミュレイ/リチャード・ホルムズ/ニール・ペプロー(共同)
    脚本■カーク・ジョーンズ
    撮影■ヘンリー・ブラハム/B.S.C.
    プロダクション・デザイナー■ジョン・エブデン
    音楽■ショーン・デイヴィ
    編集■アラン・ストラチャン
    出演■イアン・バネン/デヴィッド・ケリー/スーザン・リンチ/ジェームズ・ネスビット/フィオヌラ・フラナガン/モーラ・オマリー/ロバート・ヒッキー

    <DATA>

     アイルランドの小さな村で12億円の宝くじが当たったことから村中を巻き込んだ大騒動となるさまを描いたほのぼのコメディ。
     南アイルランドに浮かぶ小島の村タリーモア。
     のどかなこの村に住む老人ジャッキー(イアン・バネン)は、地方紙を見て村の誰かが宝くじに当た ったことを発見する。
     おこぼれにあずかろうと考えたジャッキーは、親友のマイケル(デヴィッド・ケリー)を誘って当選者探しを始める。
     が、やっと見 つけ出した当選者は笑みを浮かべ、当たりくじを握りしめたまま昇天していて・・・。<allcinema>

     監督はコマーシャルの世界で活躍してきたカーク・ジョーンズ。
     ある小さな田舎町で宝くじを当てた婦人郵便局長の新聞記事をヒントに ジョーンズは脚本を執筆、4年間に渡り推敲を重ね、’97年夏マン島で6週間に渡る撮影に臨んだ。
     プロデューサーは『シューティング・フィッシュ』(97)の成功で、一躍注目を集めたグリニス・ミュレイとリチャード・ホルムズ。
     本作が全米 で2400万ドルを越えるヒットとなり、今やイギリスで最も期待を集めるプロデューサーである。
     映画・テレビ音楽を手がけるショーン・デイ ヴィが、アイルランドで活躍するミュージシャンを集め、イーリアン・パイプやフィドルといったアイルランド伝統の楽器を使って印象的なオ リジナル・サウンドトラックを提供している。

  • 映画『アンダーグラウンド』 国を失う悲劇をコミカルに描いたファンタジー

    映画『アンダーグラウンド』 国を失う悲劇をコミカルに描いたファンタジー

    映画『アンダーグラウンド』UNDERGROUND

    アンダーグラウンド

    昔、ある所に国があった。

    地上と地下、それは支配するものとされるものを描いていた

    久々の怪作を観た。
    ユーゴスラビアの近代史を紐解く作品とも言える。

    冒頭から騒々しい音楽と共にユーゴスラビアに生きる人々が、生き生きと映し出される。
    と、同時に第二次世界大戦に突入。
    東欧の映画らしい、洗練はされていないが、人間味有る独特の雰囲気に溢れる。

    映画としては少し冗長なとこも確かにあるが、それ以上に素晴らしいテーマを持つ、一つ一つのシーンが美しい。

    前半はひたすら人々の暮らしや人間の愛憎が描かれる。
    マルコとクロと女優のナタリアの三角関係が軸になる。
    戦争の激化、ゲリラ化に伴い、人々は地下に潜る。
    マルコとナタリアだけが地上で生活をし、地下の人々に生活物資を送る。
    地下の人々はその中で、希望を失うこと無しに自分たちの生活を続ける。

    画面には滑稽な風景が映し出される。
    しかしそこにはユーゴスラビアの人々の生きる事への力強さ、国を取り戻す事への強い意志が現れている。

    地上では戦争が終わり、共産党のチトーが政権を執る。
    映画の中盤から、実写も織り込みながら歴史を語り始める。
    と同時にマルコとナタリアの苦悩が描かれる、地下の人々を裏切り続ける事、騙し続ける事への...

    地下の人々は、地上の戦争が終わったことを知らない。
    マルコのとった行動は、地下の人々を殺すことだった。
    クロとその息子は地上に脱出する。
    クロの息子が初めて見る太陽のシーンは感動的ですらある。
    映画史上の最も美しい1シーンと言える。

    それから20年が過ぎ、ユーゴスラビアは内戦に突入する。
    そこには民族の対立、ユーゴスラビアの崩壊が有った。

    結局、クロは自分を裏切ったマルコとナタリーを間接的に殺すことに...。
    そして自らも命を落とす。

    生き生きとした人々、その生活を描きながら、その人々が住む故郷・ユーゴスラビアと言う国が存在しない事への底知れぬ、悲しみ、怒りが描かれている。

    ラストのイヴァン(マルコの弟で、チンパンジーを連れた動物園の元飼育係)の言葉に心が痛む。
    それでも人々は生き続ける、踊り続ける!そこに自分の土地が無くても。
    映画のテーマに、底知れぬ痛みと感動を憶える、大作であり、傑作である。

    Reviewed in 03.1999 

    映画『アンダーグラウンド』のデータ

    アンダーグラウンド Blu-ray — Amazonで見る

    UNDERGROUND 171分 1995年 フランス=ドイツ=ハンガリー
    監督■エミール・クストリッツァ
    製作総指揮■ピエール・スペングラー
    製作■カール・ボームガートナー
    原作■デュシャン・コバチェヴィチ
    脚本■デュシャン・コバチェヴィチ/エミール・クストリッツァ
    撮影■ヴィルコ・フィラチ
    音楽■ゴラン・ブレゴヴィク
    編集■ブランカ・ツェペラチ
    衣装■ネボイシャ・リバノヴィチ
    美術■ミリェン・クリャコヴィチ“クレガ”
    出演■ミキ・マノイロヴィッチ/ミリャナ・ヤコヴィッチ/ラザル・リストフスキー/スラヴコ・スティマ

    1995年カンヌ国際映画祭
    パルム・ドール授賞 エミール・クストリッツァ

    <DATA>

     1941年から始まった旧ユーゴスラヴィアの戦いと動乱の歴史を、マルコとクロという二人の男を通して描いた作品。

    1941年、ユーゴ王国はナチス・ドイツに侵略された。
    クロを誘ってパルチザンに参加したマルコは、自分の祖父の地下室に弟やクロの妻などをかくまう。
    やがて重傷を負ったクロも地下室に運び込まれる。
    終わりなき戦争を信じる彼らが、地上に戻った時、既に戦争が終わり20年が過ぎていた。

    クストリッツァ監督は、デビュー作「パパは出張中」でも、’85年カンヌ国際映画祭でグランプリ、「ジプシーのとき」で、’89年カンヌ国際映画祭監督賞を授賞している。
    世界でも最も独創的な映画作家の一人である。 <allcinema>

  • 2016年の新作映画を振り返ってみる!

    2016年の新作映画を振り返ってみる!

    アニメ大国・日本を改めて実感

    明けましておめでとうございます。

    2016年が終了して、2017年となりました。
    そこで2016年の映画を振り返りたいと思っています。

    日米のアカデミー賞、キネマ旬報や映画秘宝のベスト10が発表されるのはもう少し先。
    当然、私は新作は50本ほどしか見れないから、漏れている面白い作品が多いと思うけど、昨年見た新作の好きなもの10本をまとめておこうと思う。

    2016年はポスト・ジブリのようなところが有って、国民的アニメは誰が作るか?その中で夏以降に素晴らしいアニメが3本も登場した。

    私より年上の世代は「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」と言った手塚治虫のアニメなのかもしれないが、自分は約40年前に「宇宙戦艦ヤマト」に出会い、「機動戦士ガンダム」に出会った世代。
    映画は『スター・ウォーズ』と共に『銀河鉄道999』を並んで初日に見に行った世代とも言える。
    その頃から宮崎駿監督は活躍していた訳だから、数十年ぶりの世代交代の年とも言えた。

    日本映画がヒットする訳

    興行収入2,000億円市場の奪い合い

    数年前に私が初めて映画をプロデュースした頃は、確か日本で劇場公開される作品数は800本を超えていた。
    2016年は1,000本を超えると言う話も聞いている(2013年から1,000本超え)が、興行収入自体はこの十数年とか、2,000億円からほとんど変わっていない、景気に影響されないエンターテイメントとも言える、但し、人口減少がこれから急速に進む中で、どうなるかは心配ではある。

    さてさて、日本映画と外国映画の公開される本数の比率だが、1950~1960年代は日本映画も全盛期で、現在の5倍以上の人が映画館で映画を見ていた。
    1970年以降は、テレビの影響で急激に観客動員数が落ち込み、一気に1/5になっている。
    逆にそれ以降は、ほとんど変わっていない。
    その中で、1980年以降は外国映画の方が公開される本数が多く、1990年頃は実に7割近くが外国映画が劇場で上映されると言う時代だった。

    2006年に再び、日本映画の公開本数が逆転して、現在は半々で少し日本映画が多いくらいと言う感じ。
    本数が増えているのは、映画が低予算でも撮れる環境ができてきたこと、もう一つはシネコンの増加にある。
    スクリーン数は1960年頃は7,000館(この頃は館数)有ったが、一気に減って1993年には1,700館まで激減。
    2000年からスクリーン数での計算になるが、増加傾向にあり現在は約3,400スクリーンとなっている。
    シネコンと通常映画館の比率は、9割弱がシネコンのスクリーンとなっている。

    シネコンの特徴

    シネコンは複合レクリエーション施設の一部として建てられることも多く、ファミリー層への訴求が高くなる。
    と同時に、スクリーン数が多いために、たくさんの映画が同時に上映が可能となる。
    これは上映本数が増えることにもつながるが、一方でヒットしている作品は長い期間上映されて、ヒットしない作品に関しては、上映期間が短くなり、一日の上映回数も減らされる、という傾向が顕著になる。

    作品の弱肉強食が明確になる。
    良い映画がヒットすると言うよりも、お金をかけて宣伝した作品がヒットする傾向に拍車がかかる。

    日本映画の露出度

    手元に日本映画と外国映画の興行収入のデータがないので、どちらがヒットしているかは不明。
    2016年で言うと『君の名は。』と『シン・ゴジラ』の2本があるので日本映画の方が稼いでいると思う。
    2014年の『アナ雪』の254億円、2015年は『ジュラシック・ワールド』『ベイマックス』が100億円弱の大ヒット作品があるので、外国映画の方が上回っている気もする。

    ただ1990年代の外国映画一辺倒の時代を知る者ととしては、今の日本映画がこれだけヒットするのは何故か?とある人に言われたことが腑に落ちた。

    日本の映画は製作委員会方式が定着して、大作にはテレビ局が製作委員会に入っているケースが多く、番宣に俳優が動員されていることが、映画のヒットと強く紐付いている。
    映画公開前になると、バラエティ番組に俳優がやたら出演するのはこのため、日本映画の露出が極端に多くなるため、数が多いと人は選択ができなくなるため必然的に露出度の高いものを選ぶ傾向になる。
    少し前だと、TVシリーズの映画化が多かったのもこのため。

    ただ今年は、『シン・ゴジラ』は逆に宣伝を抑えめにしたと言う話もあり、『君の名は。』に至っては、これ程までのヒットは予想しておらず、新海誠監督もヲタクに知名度が高いだけで、公開後の露出に比べると非常に少なかった。
    このあたりは例年とは違う傾向だったように思う。

    原作ものとシリーズもの

    日本はとにかく原作もの映画が多い、大ヒット小説・マンガが原作と言うものがほとんど。
    以前はTVシリーズの映画化だったが、現在は原作ものの傾向が強くなっている。

    一方、外国映画の中心がハリウッド映画だけど、シリーズものが多い、ただハリウッドはメジャー系の大資本がインディペンデント系の小さなプロダクションに資金を出して作品を作る傾向が有るらしい、アメリカのアカデミー賞で作品賞にノミネートされる小さな作品はこの手のものらしい。

    2016年 私の好きな10本

    そろそろ私の好きな10本の紹介、映画館に映画を見に行く時点で、映画の取捨選択をしている。
    世間的(または業界的)に評判の良いもの、好きな監督、好きな俳優というのも選ぶ基準になるから、だいたい見に行くものに外れは少ない。

    今年は、タランティーノやアルモドバルを見逃したり、怖い映画とアイドル映画は見逃したものが多い。
    怖い映画に関しては、若い頃はよく見てたけど、最近は怖いのであまり見ていない、今年見たのは『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』と『クリーピー 偽りの隣人』くらいかな。

    第10位『淵に立つ』

    2016年10月8日公開
    監督・オリジナル脚本■深田晃司
    出演■浅野忠信/筒井真理子/古舘寛治/大賀

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    第69回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」部門審査員賞受賞した作品。
    カンヌも特殊なところなので、北野武、黒沢清、河瀨直美といった独特の味わいのある作品が賞をとる傾向が強い。

    この作品はオリジナル脚本で、しかも非常に個性的、欧米人から見ると不思議な日本人をロボットのような描き方をしながら、人間の内部に持っている狂気を描いている。

    淵に立つ — Amazonで見る

    第9位『海よりもまだ深く』

    2016年5月21日公開
    監督・原案・脚本■是枝裕和
    出演■阿部寛/真木よう子/小林聡美/リリー・フランキー

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    「なりたいものに、まだなれてない」40代のさえない主人公の一言が染みる。
    人生を半分過ぎで、自分のやりたいことがやれてる人は少ない、そしてこの先自分ができることの限界も見えている、人は独りでは行きていけない、共存するから可能性が続くんだと思わせてくれる作品。

    海よりもまだ深く (特装限定版) Blu-ray — Amazonで見る

    第8位『怒り』

    2016年9月17日公開
    監督・脚本■李相日
    原作■吉田修一
    企画プロデューサー■川村元気

    公式サイトはこちら

    豪華な俳優たちの競演が見事!
    個人的には「人を信じることの怖さを知った2016年」であり「人を信じることの大切さを知った2016年」を象徴するようなテーマの作品。

    この作品の感想は
    映画『怒り』  レイプとゲイのラブ・シーンだけではない!
    からどうぞ。

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    第7位『スポットライト 世紀のスクープ』

    2016年4月15日公開
    監督■トム・マッカーシー
    脚本■トム・マッカーシー/ジョシュ・シンガー(実話を基にした話)
    出演■マーク・ラファロ/マイケル・キートン/レイチェル・マクアダムス

    第88回米アカデミー賞作品賞・脚本賞受賞作

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    「教会の闇を暴く」と言うと簡単なようだけど、日本人には想像できないかくらい困難なことに立ち向かった新聞記者たちの話。

    信念をもって何かに立ち向かう人々の姿は美しい!そして感動的。
    ラストの事実には、心が震える!

    スポットライト 世紀のスクープBlu-ray — Amazonで見る

    番外その1『海賊とよばれた男』

    2016年12月10日公開
    監督・脚本■山崎貴
    原作■百田尚樹
    出演■岡田准一/吉岡秀隆/染谷将太/鈴木亮平/綾瀬はるか/堤真一/國村隼/小林薫/近藤正臣

    公式サイトはこちら

    「日本人がおるかぎり、この国は再び立ち上がる」「いっちょやってやろうやないか」の精神で戦後日本の復興を支えた男のアイツ情熱の物語、VFXも流石、山崎貴監督。

    何故番外にしたか、それは『風立ちぬ』や『この世界の片隅に』にあって、この作品にないものを気がつかせてくれた作品だから。

    この作品の感想は
    映画『海賊とよばれた男』  モデルは出光佐三、ビジネスの成功の秘訣
    からどうぞ

    海賊とよばれた男(上) (講談社文庫) — Amazonで見る

    第6位『世界から猫が消えたなら』

    2016年5月14日公開
    監督■永井聡(『ジャッジ!』が良かった)
    原作■川村元気
    脚本■岡惠和
    出演■佐藤健/宮崎あおい/濱田岳/奥田瑛二/原田美枝子

    公式サイトはこちら

    余命宣告をされた若者が、それを納得するまでの心の動きを描いた感動作。
    函館の街を背景に美しい映像が、更に残酷に感じさせます。
    「自分が生きていることに意味がある」と感じれる作品です。

    この作品の感想は
    映画『世界から猫が消えたなら』 猫が死ぬ話ではありません、僕が死にます
    からどうぞ。

    世界から猫が消えたなら Blu-ray 豪華版(特典DISC付きBlu-ray2枚組) — Amazonで見る

    第5位『聲の形』

    2016年9月17日
    監督■山田尚子
    アニメーション制作■京都アニメーション
    原作■大今良時 (講談社コミックス刊)
    脚本■吉田玲子
    キャラクターデザイン■西屋太志
    声優■入野自由/早見沙織/悠木碧/小野賢章/金子有希/石川由依/潘めぐみ

    公式サイトはこちら

    自分の素直な気持ち=声はどうやったら伝わるんだろうか?
    いじめの問題を正面から描いたマンガが原作、原作も面白いが、アニメも上手くまとめられている。

    この作品の感想は
    映画『聲の形』 ストレートに伝わらない心の声
    からどうぞ!

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    第4位『 君の名は。』

    2016年8月26日公開
    監督・脚本■新海誠
    作画監督■安藤雅司
    キャラクターデザイン■田中将賀
    音楽■RADWIMPS
    声優■神木隆之介/上白石萌音/長澤まさみ/市原悦子

    公式サイトはこちら

    2016年度の大ヒット作品、興行収入が200億円を越えようとしている怪物作品。
    個人的にも本当に好きな作品で、これが1位で良いのでは?と思えるエンターテイメント性の高さ。

    楽しさを詰め込んだ作品で何度でも見たくなる楽しさ!

    この作品の感想は
    映画『君の名は。』  オッサンでも感動できる青春映画の傑作登場!
    からどうぞ!
    『君の名は。』  聖地巡礼 東京編計画書
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    番外その2『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』

    2016年12月17日公開
    監督■三木孝浩
    原作■七月隆文「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(宝島社)
    脚本■吉田智子
    音楽■松谷卓
    出演■福士蒼汰/小松菜奈/山田裕貴/清原果耶/東出昌大/大鷹明良/宮崎美子

    公式サイトはこちら

    デート映画でも、大好きな作品、これもアリかと思う、スレ違いの恋が切ない。
    ファンタジーとして楽しめばイイと思う。

    この作品の感想は
    映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』  今、最高のデート映画、泣ける!
    からどうぞ

    ぼくは明日、昨日のきみとデートする (宝島社文庫) — Amazonで見る

    第3位『この世界の片隅に』

    2016年11月12日公開
    監督■片渕須直
    アニメーション制作■MAPPA
    企画■丸山正雄
    プロデューサー■真木太郎
    原作■こうの史代
    脚本■片渕須直
    キャラクターデザイン■松原秀典
    作画監督■松原秀典
    音楽■コトリンゴ
    主題歌■コトリンゴ  『悲しくてやりきれない』
    声優■のん/細谷佳正/稲葉菜月/尾身美詞/小野大輔/潘めぐみ

    公式サイトはこちら

    かつて戦争をしていた国、日常の中に戦争がある風景を映し出す、日本人が忘れてはいけないものがそこに有った。
    のん(能年玲奈)の声が素晴らしい。

    映画の枠を超えて、後世に伝えていきたい作品。

    この作品の感想は
    映画『この世界の片隅に』  能年玲奈が「のん」に変わる時
    からどうぞ

    この世界の片隅に 上 (アクションコミックス) — Amazonで見る

    第2位『ルーム』

    2016年4月8日公開
    監督■レニー・アブラハムソン
    製作国■アイルランド/カナダ
    監督■レニー・アブラハムソン
    原作■エマ・ドナヒュー 『部屋』(講談社刊)
    出演■ブリー・ラーソン/ジェイコブ・トレンブレイ/ジョーン・アレン/ショーン・ブリジャース/ウィリアム・H・メイシー

    公式サイトはこちら

    2016年の米アカデミー賞主演女優賞受賞作品(作品賞、監督賞、脚色賞ノミネート)で、カナダの小さな作品(撮影がカナダ・トロント)が、ハリウッドの大作を向こうに回してこれだけの評価を得たという作品。

    まず脚本が起承転結と見事に展開していくことと、前半と後半でガラッと話の内容が変わっていく、またその転換点の演出も映像的に非常に美しく、完成度の高さも素晴らしい。

    欧米が抱える「誘拐」というテーマを新しい視点から描いている点も良かった。

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    第1位『 永い言い訳』

    2016年10月14日公開
    原作・脚本・監督■西川美和
    撮影■山崎裕
    出演■本木雅弘/竹原ピストル/藤田健心/白鳥玉季/堀内敬子/池松壮亮/黒木華/山田真歩/深津絵里

    公式サイトはこちら

    人が壊れることで表層に出てくる人の本質を表現することから、壊れた人間関係がどうなっていくか?
    と一歩踏み込んで描いてみせた、と言う点で、西川美和監督が一歩先に進んだ気がした。
    また、その落としどころが腑に落ちた、それが1位の理由かと。

    演出など作品の完成度は流石、本木雅弘の演技も一段と良かった。

    この作品の感想は
    映画『永い言い訳』  妻が死んでも泣けないアラフィフ男の本音と建前
    からどうぞ

    永い言い訳 (文春文庫) — Amazonで見る

    2016年のまとめの最後に

    2016年は『君の名は。』が興行収入200億円という邦画としては、ジブリ以外では初めての大台。
    共にアニメ3作品を外すことができなかった。
    『君の名は。』と『シン・ゴジラ』は、セカイ系という言葉を広めた東浩紀氏が「ヲタクの時代は終わった」と言わせた作品、どちらも確かになるほど、と。
    ようはガイナックス系(エヴァのこと)とセカイ系のヲタクをメジャーがやってしまったから、この先にあるものは?と言う感じ。
    と言う意味でも『君の名は。』はやり尽くした、何でも詰め込んだと言う意味でも、1位でも良かった。

    でも一方で、やっぱり「映画は自分の鏡」という点では、今の自分に一番近い・身近な作品は『永い言い訳』や『海よりもまだ深く』であり、やはり実写映画の完成度という点でも評価が高かった。

    外国映画に関しては、新作を見る機会が単に少なかっただけのような気もするが、2本しかしれなかった外国映画は完成度はもちろん、映画と伝えるべきものをハッキリ持っている点に関しては外せない作品だった。
    クリント・イーストウッド監督は相変わらず質が高いものの過去の作品を超えておらず、大好きなスピルバーグ監督は平均点とそれ以下の2作品ということで、今回は選ばなかった。

    個人的には2年以上、映画制作から離れていることも有って、日本の若手監督の動向が気になるが、どうも自分が思っている方向とは違う方を向いているような気がする。
    西川・是枝の師弟コンビはもちろん、深田晃司監督のオリジナル作品が、大手ではないところで制作されながら、物凄い完成度と内容の深さを感じさせてくれた。
    原作ものや大手メジャーが作るものが良くないとも思っていないが、作品の内容とは関係ないところで評価がされているところもある気がした2016年だった。

    さて、2017年もスタートして、続々と新しい映画の話も耳に入ってきている、どんどん良い作品が公開されていくのが、また楽しみでもある。

  • 宮崎駿 終わらない人 好きな作品をまとめてみました

    宮崎駿 終わらない人 好きな作品をまとめてみました

    宮崎駿復活? 新作長編に再チャレンジ!?

    終わらない人 宮崎駿

    宮崎駿

    2016年11月13日(日)NHKスペシャル「終わらない人 宮崎駿」が放送された。
    3年前の引退宣言から700日「残された時間をどう生きるのか」を独占密着したドキュメンタリー。

    前半は、CGを使用した短編アニメの制作に四苦八苦する姿が映し出されるが、最後に出した結論は”長編企画 覚書”を鈴木敏夫プロデューサーに渡し「この映画作れるだけの金かき集めてください。こういうことが起きるかもしれないですよ」と笑いながら話す。
    最後に「何もやってないで死ぬより、死んではならないと思いながら死ぬ方が」と締めくくられた。

    えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!

    『風立ちぬ』が最後じゃなかったのかぁ~(汗)
    ちなみに、映画『風立ちぬ』 宮﨑駿監督の最新作にして遺作?そして最高傑作!はこちらからどうぞ!

    スタジオジブリの30年

    ジブリの大博覧会

    先日、六本木の「ジブリの大博覧会」に行ってきたばかりだぁ~
    鈴木敏夫プロデューサー主導でスタジオジブリの30年間の歴史を一気に見せてしまうと言う企画。
    だから宮崎駿の仕事ぶりというよりも、鈴木敏夫プロデューサーが、どのように宣伝をして作品をヒットさせたか?がメインの展示だった。
    ↓↓ スタジオジブリの公式サイトです。

    スタジオの歴史はこちらのサイトが本当に詳しいです(笑)

    映画の難しいところは、一つの作品を作るのに企画から公開まで3年とか5年とか掛かることです。
    宮崎駿監督が、今度撮るかもしれない新作は3年計画で2020年公開を目指しています!
    スタジオジブリは、ある時から制作スタッフを丸抱えします、よい作品を作るためです。
    たくさんのお金がかかります、よく言われるのが「ジブリのアニメは10億~40億円はかかる」と言う噂、あっ噂です、でもこのくらいは掛かると思います。

    少しスタジオジブリの作品とその興行収入(お客さんが劇場で映画見て支払ったお金)を記載してみました。
    そして、ほぼ興行収入の半分は映画館(興行主)が持っていって、残ったものが配給収入となります。
    今は配給収入は発表されていません。

    ghibli

    スタジオジブリ作品の一覧と興行収入

    1984年 『風の谷のナウシカ』 宮崎駿監督
    ジブリ興行収入第18位 14.8億円(配給収入7.6億円) 91万人

    1986年 『天空の城ラピュタ』 宮崎駿監督
    ジブリ興行収入第20位  11.6億円(配給収入5.8億円) 77万人

    1988年 『となりのトトロ』 宮崎駿監督/『火垂るの墓』 高畑勲監督
    ジブリ興行収入第19位 11.7億円(配給収入5.9億円) 80万人

    1989年 『魔女の宅急便』 宮崎駿監督
    ジブリ興行収入第12位 36.5億円(配給収入:21.5億円) 264万人

    1991年 『おもいでぽろぽろ』 高畑勲監督
    ジブリ興行収入第14位 31.8億円(配給収入18.7億円) 216万人

    1992年 『紅の豚』 宮崎駿監督
    ジブリ興行収入第9位 47.6億円(配給収入28億円) 304万人

    1993年 『海がきこえる』 望月智充監督

    1994年 『平成狸合戦ぽんぽこ』 高畑勲監督
    ジブリ興行収入第10位 44.7億円(配給収入26.5億円) 325万人

    1995年 『耳をすませば』/『On Your Mark』 近藤喜文監督
    ジブリ興行収入第15位 31.5億円(配給収入18.5億円) 208万人

    1997年 『もののけ姫』 宮崎駿監督
    ジブリ興行収入第3位 193億円 1420万人

    1999年 『ホーホケキョ となりの山田くん』 高畑勲監督
    ジブリ興行収入第17位 15.6億円(配給収入7.9億円) 115万人

    2001年 『千と千尋の神隠し』 宮崎駿監督
    ジブリ興行収入第1位 304億円 2350万人

    2002年 『猫の恩返し』/『ギブリーズ episode2』 森田宏幸監督
    ジブリ興行収入第8位 64.6億円 550万人

    2004年 『ハウルの動く城』 宮崎駿監督
    ジブリ興行収入第2位 196億円 1500万人

    2006年 『ゲド戦記』 宮崎吾朗監督
    ジブリ興行収入第7位 76.5億円 588万人

    2008年 『崖の上のポニョ』 宮崎駿監督
    ジブリ興行収入第4位 155億円 1200万人

    2010年 『借りぐらしのアリエッティ』 米林宏昌監督
    ジブリ興行収入第6位 92.5億円 750万人

    2011年 『コクリコ坂から』 宮崎吾朗監督
    ジブリ興行収入第11位 44.6億円 355万人

    2013年 『風立ちぬ』 宮崎駿監督
    ジブリ興行収入第5位 約120億円 約1000万人

    2013年 『かぐや姫の物語』 高畑勲監督
    ジブリ興行収入第16位 24.7億円

    2014年 『思い出のマーニー』 米林宏昌監督
    ジブリ興行収入第13位 35.3億円

    『魔女の宅急便』から鈴木敏夫プロデューサーが、宣伝を主体的に取り組んで映画を大ヒットさせました。
    と同時に、スタジオジブリの歴史にあるように「ジブリ第2期スタート」でスタッフを社員にする=固定費が膨らむ → 制作費がかかる、そこまでしてもよい作品を作ると言うことでしょうか。

    宮崎駿、長編作るってよ!(?)

    冒頭にも書きましたが、長編の企画が宮崎監督から鈴木プロデューサーに渡されました、果たして。

    そのキッカケになったのは、ドワンゴ 川上量生会長(カドカワ社長)のプレゼン。

    宮崎駿監督、ドワンゴ川上量生会長を一喝「生命に対する侮辱」

    「人工知能が作った、痛覚がなく頭部を使って歩くCG」を見た時に、宮崎監督が「極めて不愉快」と評した。
    「面白くない」なら第三者的な意見として述べる話だが、宮崎監督の”主観”として「不愉快」と感想を述べ一緒には仕事をしたくないと言う。
    鈴木プロデューサーも「どこへ、たどり着きたいんですか?」と質問をしているように、宮崎監督や鈴木プロデューサーが目指していた方向とは明らかに違う異質なものだった。

    川上量生会長の了解の上でNHKも放送しているので、当然、どちらの方向性が正しいと言う話ではないだろう、でも一つ確かなことは、これも一つの宮崎監督の制作意欲を掻き立てた要因でもあったようだ。

    ワンショット見た瞬間に「これはすばらしい」って、それが映画だと思っているから(宮崎駿)

    ストーリーとかに感動して、ではなくまずはワンショットのすばらしさ!こそが映画の生命線なんだと思う、そして・・・

    世界は美しいって映画を作るんだよね、きがつかないだけで世界は美しいよって、そういう目で見たいだけなんだよ(宮崎駿)

    子供たちに「世界は美しい」と気づいて欲しい、そういう願いと相反するものを見せられた、その思いが強かったのだろうと。
    だから最後に、

    地球最後の日が近いって感じがするね、それは人間のほうが自信がなくなっているからだよ(宮崎駿)

    将来、人工知能がアニメを描く時代がくるのだろうか?
    このおじいちゃん(宮崎監督)は、それに抗うために、再び長編映画への挑戦をするのか?

    どちらにしても、ファンとしては楽しみなのは間違いない。

  • 映画『永い言い訳』  妻が死んでも泣けないアラフィフ男の本音と建前

    映画『永い言い訳』 妻が死んでも泣けないアラフィフ男の本音と建前

    映画『永い言い訳』

    永い言い訳

    妻が死んだ。
    これっぽっちも泣けなかった。
    そこから愛しはじめた。

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    イントロダクション

    妻を亡くした男と、母を亡くした子供たち。
    その不思議な出会いから、
    「あたらしい家族」の物語が動きはじめる。

    『おくりびと』以来7年ぶりに主人公・幸夫を演じるのは、『日本のいちばん長い日』で昭和天皇役が高評価だった本木雅弘。
    今回はタレント小説家を見事に演じてみせた、時にはチャーミングで時には憎々しく。
    主人公・幸夫の亡くなった妻と共に死んだ親友の夫・陽一にはミュージシャンの竹原ピストルを抜擢。
    幸夫の妻には深津絵里、幸夫の愛人役には黒木華、さらに池松壮亮、山田真歩などが共演。

    原作・脚本・監督は『ゆれる』『ディア・ドクター』『夢売るふたり』とオリジナル脚本で勝負し、本作の原作では直木賞候補となった西川美和監督。

    永い言い訳

    アラフィフ男の本音と建前が交差する

    有名作家の妻が死んだ、その時、その夫は若い女性と不倫をしていた。

    西川美和監督の最新作、映画『ゆれる』が衝撃的で、『ディア・ドクター』も本当に好きで、次はどんな作品を見せてくれるのだろうか?と期待していた。
    その西川監督が、それまでは完璧なものが壊れていって、そこに隠されていた人間の本性が露わとなる怖さが詰まっていたが、この作品では西川監督本人がインタビューで「その後を描いている」と言うように、壊れてしまった夫婦関係が妻の「死によって再生」していく、という物語。

    西川監督は、この作品を作るにあたってそのアイディアを、3.11の震災を目の前にした時に、死に別れた家族や友人とどういう別れ方をしたか?それを描きたかったとも言っている。
    そこには人それぞれの別れがあった筈、朝食を食べながら喧嘩してそのまま別れた家族もいるかもしれない、口も聞かずに出かけた子供との別れが有ったかもしれない、人の死はある日突然訪れる。

    無名の作家時代を支えてくれた妻、いつの間にか妻がいるのが当たり前になり、作家として有名になり、お金もあり女性も近づいてくる。
    50も近づき、自分の才能も枯渇してきてるのかもしれない、実は何も思い通りにならない自分がそこにはいる。
    その隙間を埋めるために、若い女性と身体を重ねる主人公、そんなタイミングに妻が事故死する。
    主人公の本音は「自分は何も悪くないのに、妻が死んでしまった」と言う思い。

    周りからは「大変でしたね」と言われ、それを演じなくてはと思う主人公。
    彼は、他人(妻の親友)の子供たちの世話を始める、子供たちとのやり取りが微笑ましく、またその子供たちが可愛い、特に可笑しく苦労もする、幸夫は自然に癒やされていき世間の喧騒から一時離れることができる、が、自分の子持ちのマネージャー(池松壮亮)から
    「子育ては男の免罪符ですから。自分がイヤな、ダメなヤツってことを帳消しにしてくれる逃げ場ですから」
    と言われてしまう。

    主人公の本音は「自分が好き」で誰も愛したことがない。

    永い言い訳

    失った愛を取り戻す

    作家を諦めかけていた時に、自分を励まし、金銭的にも支えてくれた妻。
    でも実際には、自分が有名になったことで少しずつ、彼女に対する思いが変わっていく。

    実際、何が変わったと言う訳ではなく、そこは時間が過ぎていくと言うことなんだと思う。

    妻の死によって失った愛、そして愛人からも捨てられていく。
    子供と接するうちに、妻の死にいつまでもグズグズと泣き崩れる男と接するうちに、自分は誰かを本当に愛せていたのだろうか?と感じ始める。
    そして、愛を取り戻す、寸前でいつも主人公の手からこぼれ落ちていく。

    ラスト、妻の写った写真を見て本当の妻の気持ちを知ることで、主人公は一歩、再生へと歩み始める。

    夫婦ってなに?愛ってなに?そんなことを思い始めた人には考えさせる何かがここにあります、今年一番のオススメ作品。
    渇いた心を少し癒やしてくれる映画、それってやっぱり貴重だと思う。

    永い言い訳

    私的『永い言い訳』ネタバレあり

    ① テーマが有るか?共感できるか?

    不倫に対する見る人のスタンスで、この作品の解釈が変わってくると思う。

    不倫は絶対に駄目!と思っている人にとっては、主人公が情けなく、赦せない存在で、ラストに妻の本心を知って愛に向かって一歩歩み始める姿に映る。

    夫婦の愛がなくなったとしても、世間体や面倒くさいと言うことで別れずに不倫に走る男、それってあるよね、と思ってしまった人にとっては、「こんな俺でも妻は俺のことを愛してくれてたんだ」と思い、自己中心的な自分愛に自信を取り戻す。

    不倫が良いと言う訳ではないが、私は後者だと思ってこの作品を見た。
    “長い”ではなく“永い”と言う死ぬまで自分のことを言い訳し続ける主人公。

    それはある意味、アラフィフになり、自分の実力の限界も判り、人生と夢とのギャップで自分が何者にもなれなかったことに気付き始める、その心の隙間を埋めるのは「自分を愛する」ことかもしれない、そんな風に感じる。

    ② 作り手の強い意思を感じるか?

    西川美和監督が、自ら原作本を書き、それを脚本・演出した作品。
    図らずも、今年、西川監督の師匠・是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』も、アラフィフ男の情けなさを描いていて、主人公が同じ作家でもある、そして子供も出てくる点も共通している。

    それまで問題提起をしてきた西川監督が、一歩踏み出して、その人間の本質に右往左往する人々を描いたところに、そして今のアラフィフの姿を描いていた点がとても良かった。

    ③ 俳優の意思や演技力が伝わるか?

    この作品の番宣で、久々によく本木雅弘がテレビに出ていたが、過去作品より彼本人に近いのでは?感じさせる。
    もちろん彼が実生活で不倫をしてるっぽいとかではなく、どこか飄々としていて、どこかに熱いものを持っていて、そんな感じが主人公とダブる、だからこそなのか、情けなさが板についてるし、そして納得させられる。
    本木雅弘自身が「幸夫の方が(僕より)清いんですよ」と言ってるところが面白い。

    竹原ピストルの妻の死に、いつまでも泣いているトラック野郎と言う役どころが良かった、演技が新鮮で良かった点と、世間で持てはやされたビッグダディと似ているところを感じて、素直な人間性っぽい気もするが、本当は人生(この作品では子育て)から逃げている男の姿が、また良かった。

    深津絵里が登場するシーンは少ないがその美しさが素晴らしい、そしてやはり写真での登場の存在が凄い。
    二人の子供たちも掘り出しもの。
    池松壮亮は、いつもこんな斜に構えた、妙に説得力がある、そしてズルい感じの男が似合ってしまう。

    黒木華が、初めて?濡れ場に挑戦、昭和顔と本人が言っていたが、岩井俊二監督の『リップヴァンウィンクルの花嫁』から少しずつ変わってきて、この作品では色っぽかった!新しい発見であり、彼女はどこまで色んな顔を見せてくれるのか、本当に楽しみな女優。

    永い言い訳

    ④ 映画らしい楽しさが備わっているか?

    今回、16ミリフィルムでの撮影と言うちょっと特殊な画作りをしている。
    ずっとボヤッとしたザラツイた映像が続く。
    きっと、自分を愛してやまない主人公の行き先の判らない人生そのもの、ボヤッとしたものとリンクしている。

    今回、子役を上手く使いつつ、親の本音、子供の本音が垣間見える。
    「子供なんかいなかったら・・・」と、でも一方で本当に子供を愛している、矛盾・・・やっぱりこれは映画で表現するべきことだと思う。

    ⑤ エンターテインメント性

    冒頭の妻の死、以外に何も取り立てて事件はない、それでも、人の本性がそこかしこに垣間見え、そして赦しが差し込まれていく。
    なにも事件はないのに、複雑に話が絡み合い、そして物語は起伏を持ってラストに続く。

    最大のサスペンスは「自分は妻に愛されていたのだろうか?」と自分勝手な男の謎解きが縦軸にしっかり柱がある。

    ⑥ 演出が素晴らしいか?

    是枝監督に師事して、ということで非常に演出が似ている。
    そして、西川監督の好きな作品の影響も大きいと思う。

    説明的なセリフやシーン(キャラクターの動作)をできるだけ排した画作りをしてくる。
    タクシーの鏡で髪型を直すところは象徴的。

    今回は、是枝監督並に子供も演出できることが判った(笑)

    ⑦ 脚本が素晴らしいか?

    原作・脚本と監督が一緒、完全なオリジナルと言うこと。

    縦に一本「愛される自分」があって、妻を失った家族や愛人、出版社に振り回されながら、本音を撒き散らす主人公の姿が滑稽でもあり、真実でもある。
    女性がこれだけ男の本音の部分を描けるのか?そんなに冷静に男を見てるのか?とちょっと西川監督の頭の中を覗いてみたくなる。

    ⑧何度も見たくなるか?

    2016年も残り数ヶ月、日本のアラフィフ男性は疲れ果てている、そんな作品が数多く出てきたが、一番、男の本音が表現されていて面白かった。
    そこに家族や妻への愛、と言うものを考えさせるものがあった。
    映画としての完成度やストーリーの面白さ、今の自分を見つめ直す機会に見たい作品。

    映画『永い言い訳』のデータ

    永い言い訳

    原作・脚本・監督■西川美和
    撮影■山崎裕
    出演■本木雅弘/竹原ピストル/藤田健心/白鳥玉季/堀内敬子/池松壮亮/黒木華/山田真歩/深津絵里
    公開日■2016年10月14日

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    公式サイトはこちら

    【ストーリー】
    人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(きぬがささちお)は、妻が旅先で不慮の事故に遭い、親友とともに亡くなったと知らせを受ける。
    その時不倫相手と密会していた幸夫は、世間に対して悲劇の主人公を装うことしかできない。

    そんなある日、妻の親友の遺族―トラック運転手の夫・陽一とその子供たちに出会った幸夫は、ふとした思いつきから幼い彼らの世話を買って出る。
    保育園に通う灯(あかり)と、妹の世話のため中学受験を諦めようとしていた兄の真平。
    子どもを持たない幸夫は、誰かのために生きる幸せを初めて知り、虚しかった毎日が輝き出すのだが・・・
    (C) 2016 「永い言い訳」製作委員会 PG-12

  • 宇宙人だった?! スピルバーグ監督作品 ベスト+【王様のブランチ】トップ10

    宇宙人だった?! スピルバーグ監督作品 ベスト+【王様のブランチ】トップ10

    スピルバーグ映画は好きですか?

    スピルバーグ

    世界中で、日本でも、スピルバーグ監督の作品は大ヒットします!
    でも意外とスピルバーグ監督作品を、観客に媚びた作品として「つまらない」と言う人もいるみたいです。
    ちなみに・・・

    私はスピルバーグ監督作品が大好きです!

    十代にハリウッド映画にハマったのは、チャップリンと美男美女俳優と、ルーカス×スピルバーグでした。
    『スター・ウォーズ』や『インディー・ジョーンズ』は青春の1ページです。

    ルーカスが想像したスペース・ファンタジー『スター・ウォーズ』の特撮はそれまで無かったものでワクワクさせられた。
    そして、スピルバーグの作品はワクワクだけでなく、泣いたり・笑ったり・感動できたりした!と言う意味で「映画の全てがあった」と言う思いです。

    宇宙人?だったスピルバーグ

    1946年12月18日にアメリカのオハイオ州シンシナティでウクライナ系ユダヤ人の家庭に生まれ、アリゾナ州に育ったそうです。

    スピルバーグ自身が宇宙人と言う訳ではなく、宇宙人を描くことがアメリカ人としての使命だったと言えます。
    『未知との遭遇』はアメリカ人の憧れなのです。
    “?”と思ったでしょう~アメリカは200年ちょっとの歴史しかない国で、伝説や伝統がない国です。
    ヨーロッパならギリシャ神話からアーサー伝説とか色んな伝説が有り、日本にも天照大神から綿々と伝説が数多く有ります。
    そんなアメリカには、先住民族の伝説は有ってもヨーロッパから移住してきた人々には何の伝説も有りません、だからこそ、宇宙人に選ばれた民族としてのアメリカ人と言う物語が必要なのです!

    だから宇宙人は必ずアメリカに舞い降ります、スーパーマンも落ちたところはアメリカです!(笑)
    エリア51を聖地にする必要があり、世界中にエンターテイメントとして広めたのがスピルバーグその人でした。

    高校くらいの頃には、早川書房から数々のSF小説が日本に紹介されました。
    ロバート・A・ハインラインやフィリップ・K・ディック、アイザック・アシモフ(ソ連生まれのアメリカ育ち)、アーサー・C・クラーク(イギリス人)と言った作家たち。
    それぞれが映画化された原作を数多く書いているSF界の重鎮たち。

    文字の中の世界をスピルバーグが明確に、宇宙人・宇宙船の映像化を果たし、世界のスタンダードにしてしまった。
    今、スピルバーグ監督作品について語ること、それは彼はSFだけではなく、パニック映画やヒーロー物、ヒューマンドラマからシリアスなものまで、自分の作りたい作品を自由に作っている、アメリカの現代の映画史そのものと言える。

    スピルバーグ

    みんなが選んだスピルバーグ・ベスト10

    ローリングストーン誌が選んだベスト10はこちら~

    10位 『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』 237百万ドル:13位

    9位 『1941』 109百万ドル:19位

    8位 『ジュラシック・パーク』 796百万ドル:3位

    7位 『プライベート・ライアン』 369百万ドル:9位

    6位 『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』 766百万ドル:4位

    5位 『激突!』 

    4位 『未知との遭遇』 481百万ドル:5位

    3位 『E.T.』 1,228百万ドル:1位

    2位 『シンドラーのリスト』 199百万ドル:15位

    1位 『JAWS/ジョーズ』 1,109百万ドル:2位

    ※ 現在の価値に換算した場合 Boxofficeより、順位はスピルバーグ監督作品内

    人気投票で、ダントツの1位が『JAWS/ジョーズ』だそうで、2位に倍の投票が有ったらしく、映画の専門家(評論家とか関係者)の間でも評価は高いので納得。

    その他、米VULTUREが選んだ全作品のランキングでは、トップは『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』でした。

    スピルバーグ&是枝裕和監督

    【王様のブランチ】好きなスピルバーグ監督作品TOP10

    2020年5月23日の【王様のブランチ】では、スピルバーグ監督作品の視聴者が選んだトップ10が放送されました。

    10位 『宇宙戦争』 (’95年公開)

    9位 『激突』 (’73年公開)

    8位 『レディ・プレイヤー1』 (’18年公開)

    7位 『シンドラーのリスト』 (’94年公開)

    6位 『A.I.』 (’01年公開)

    5位 『未知との遭遇』 (’78年公開)

    4位 『ジョーズ』 (’75年公開)

    3位 『E.T.』 (’82年公開)

    2位 『インディー・ジョーンズ』シリーズ (’81年公開~)

    1位 『ジュラシックパーク』 (’93年公開)

    ちなみに『ジュラシックパーク』は『インディー・ジョーンズ』と同様にシリーズ化されていて、第2作まで監督として演出を手がけています。

    『ジュラシック・パーク』 (1993) 監督
    『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』 (1997) 監督
    『ジュラシック・パーク III』 (2001) 製作総指揮
    『ジュラシック・ワールド』 (2015) 製作総指揮
    『ジュラシック・ワールド/炎の王国』 (2018) 製作総指揮