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  • 映画『日本のいちばん長い日』 終戦記念日に思うこと

    映画『日本のいちばん長い日』 終戦記念日に思うこと

    映画『日本のいちばん長い日』 THE EMPEROR IN AUGUST

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    永遠の戦後のために

    2016年8月8日に天皇陛下が「象徴としてのお務めについての天皇陛下お言葉」を発せられました。(映像とお言葉があります)
    そして71回目の終戦記念日を迎えました。

    昨年は戦後70年と言うことで今作品が公開されたり、NHKザ・プレミアム戦後70年ドキュメンタリー・ドラマ「玉音放送を作った男たち」が放送されました。
    日本の玉音放送に関しては、NHKの戦時録音資料として「昭和天皇、終戦の玉音放送」として聞けます。(お言葉があります)

    何故、冒頭に生前退位のことを書いたか・・・
    今の日本は無宗教と言う人がほとんどで、正月にはお宮参り(神道)をして葬式にはお坊さんを呼ぶ(仏教)と言うことが日常にある。
    おそらく日本にとっては天皇の存在こそが宗教だったのでは?と考えている。
    もちろん大東亜戦争が終わるまでは天皇は“神”だったわけなので。
    昭和天皇は、終戦直後、マッカーサー元帥と十数回に渡って会談をして、その後の日本の方向を決めたと言う事実を知ると、戦後70年が経って改めて昭和天皇について知ることは重要なこと、天皇制について考える必要性を思う。
    人としての天皇、象徴としての天皇なら、退位と言うことも当然考えるべきとは思う。

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    昭和と平成

    戦後20年が経って描かれた岡本喜八監督版は作り手は戦中派である、この作品に対して矜持を持って挑んだと思う。
    それは俳優の演技からも伝わってくる、岡本喜八監督が過度なまでに求めたものだと思う。
    あの戦争は何だったのか?そして止めることが何を意味したのか、神としての天皇を知る世代が国体とは何だったのか?それを描くことに昭和40年代には必然が有った。

    一方、戦後70年経って描かれた原田眞人監督版は監督を含め作りては戦後派である、見ている私も戦争を体験したことのない世代。
    だからこそ、岡本喜八監督版のような戦争を生きた人々の群像劇ではなく、昭和天皇、阿南陸軍大臣と鈴木貫太郎首相の三人を中心に物語を進めている。
    おそらく国体維持と言う実感の有る世代とない世代の違いではないかと思う。

    2006年にはロシアのアレクサンドル・ソクーロフ監督が『太陽』で、2012年にはアメリカのピーター・ウェーバー監督が『終戦のエンペラー』で昭和天皇を描いている。
    そして岡本喜八監督版では後ろ姿とお言葉だけでしか描かれなかった昭和天皇が、原田眞人監督版では、本木雅弘演じる昭和天皇が積極的に終戦へ向けて意志を示している。
    実際の皇室の研究をしている訳ではないので、本当のところは知らないが、戦後のマッカーサー元帥との会談の多さから考えて、終戦に対して昭和天皇がハッキリとした意志を示されたことは想像に難くない。

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    日本は敗戦から目を逸らしてはいけない、それは70年以上経った今でも、決して自虐的歴史観とは思わない。
    戦争に負けると言うことは20世紀以前においては、敗者は虐殺か自殺で終わるもの。
    天皇を殺させないためにポツダム宣言受諾した訳で、東京裁判もあった訳で、それを否定したら天皇制の存続も否定することになるのではないのかな?と思うのだが。
    昭和天皇も、今上天皇も、この点はちゃんとした歴史認識を持たれていて、靖国参拝などということは行わない。
    それは『永遠の0』にも書いた「重たいジレンマ」が有り、日本国民全体が背負っていくものだと思う。
    岡本喜八監督版では、反戦映画として体験としての終戦を描いた点で優れたものを感じ、一方で原田眞人監督版では玉音放送と共に生き残った日本人が重い十字架を背負っていくことの覚悟を感じることができた点で、平成にこの作品を作ったことの意味を感じた。

    そして今上天皇の生前退位へのお言葉は、象徴天皇としての戦後、昭和天皇から引き続いて背負い続けているものの重さを感じずにはいられない。
    365日24時間、天皇でいることを求められる、日本で最も有名な?公人でいることを求められる大変さを考えると、その荷を早く引き継ぐことも必要なのではないか?と思うのは変だろうか。

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    2016年5月27日午後6時6分、アメリカ・オバマ大統領が広島でスピーチをしました。

    オバマ大統領が広島で演説

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    広島は「謝罪を求めない」ことで実現したアメリカの大統領の被爆地・広島訪問。
    戦争に負けた日本が戦勝国に謝罪を求めること自体が、自分たちの背負う責任を放棄することになる訳で、その一線を超えなかったことで、今回の歴史的訪問が実現した。
    今年は、戦後の一つの区切りになるのかもしれない、現在の日本国憲法がどちらの方に向かっていくのか、日本はどこに向かうのか?
    『シン・ゴジラ』にも有った既に機能しない日本の政治と官僚制度、それと共に沈んでいく国・日本、果たして日本がゴジラと言う国難に対して一致団結して叡智を尽くして乗り切ったように、日本は未来に向って新たに向かっていくのだろうか?

    改めて終戦に向けて、この日に何が有ったのか?それを知ることは今の日本を理解する上で必要なことだと思う。

    映画『日本のいちばん長い日』のデータ

    1967年版

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    上映時間■157分
    製作国■日本
    公開情報■劇場公開(東宝)
    初公開年月■1967/08/03
    監督■岡本喜八
    原作■大宅壮一「日本のいちばん長い日」
    脚本■橋本忍
    ナレーション■仲代達矢
    出演■宮口精二(東郷外相)/戸浦六宏(松本外務次官)/笠智衆(鈴木総理)/山村聡 (米内海相)/三船敏郎(阿南陸相)/志村喬(下村情報局総裁)/黒沢年男(畑中少佐)/松本幸四郎(今上天皇)

    2015年版

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    降伏か、本土決戦か――。
    その決断に、
    すべての希望は託された

    上映時間■136分
    製作国■日本
    公開情報■劇場公開(松竹=アスミック・エース)
    初公開年月■2015/08/08
    監督■原田眞人
    原作■半藤一利「日本のいちばん長い日 決定版」(文春文庫刊)
    脚本■原田眞人
    出演■役所広司(阿南惟幾)/本木雅弘(昭和天皇)/松坂桃李(畑中健二)/堤真一(迫水久常)/山崎努(鈴木貫太郎)

    オフィシャルサイトはこちら

  • 映画『永遠の0』 ジレンマを背負った大ヒット反戦映画

    映画『永遠の0』 ジレンマを背負った大ヒット反戦映画

    映画『永遠の0』

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    この空に願う、未来――壮大な愛の物語。

    大人気作家の意図とは別に、感動的な反戦映画

    宮崎駿監督が『風立ちぬ』を公開した後の雑誌のインタビューに
    「今、零戦の映画企画があるらしいけど、それは嘘八百を書いた架空戦記をもとにして、零戦の夢物語をつくろうとしてるんです」
    と答えています、時期的に『永遠の0』の事を指しているのかな?と思ったりもして。
    でも、宮崎駿監督に聞いてみたい、『風立ちぬ』とこの作品の立ち位置は違うのですか?と。
    私には一緒に見えました。
    この作品を見て改めて思ったのは、第二次世界大戦以前の日本人の中には、死と言うのもが身近に有って、常に「死の覚悟」を持って生きていた。
    それが時として人を凛と見せていたのかも、と。
    例えば「坂の上の雲」の秋山真之だったり。
    この作品も『風立ちぬ』も死を身近に感じることで、生の大切さを感じ平和への希望・切望、生き続けることの大切さを描いていると。

    今回、山崎貴監督は徹底的なリアリティを追求してVFXの制作を行っている。
    もちろん零戦に関しても、その運用も開戦時の圧倒的な有利から、一転してアメリカの圧倒的な技術力・工業力の前に次々と落とされていく零戦、特攻すら敵艦船にたどり着けない。

    ラストの岡田准一さん演じる宮部久蔵の爽やかな笑顔が、死を覚悟した潔さ「生」を繋げることの出来た爽やかさに写り、溢れる涙を抑える事が出来なかった。
    堀越二郎も、自ら作った零戦が多くの人々の命を奪った事を後世に語りつなければと「生きねば!」と考えた。
    平和にどんよりと浸った平和ボケの人間が、集団的自衛権、国防軍だと叫んでいる。
    今大切な事は70年前に起きた戦争を正しく後世に子孫に伝えて行くこと「正しい戦争」なんて無いことを。

    作品では、宮部久蔵が何故?特攻を選んだか描かれていません。
    私個人の思いは・・・
    戦争は前線から一番遠いところで決まり、指示・指揮される。
    前線は、その悲劇を一身に背負い、それを見送るしかない。
    宮部は自ら身を特攻に委ねることで、次の時代に残せる「想い」が有ると考えたのではないだろうか・・・・

    2015年2月に同じ原作の7時間版のテレビドラマを見た、テレビ東京の50周年記念作品らしい。
    原作は一部を斜め読みしただけだが、きっとこれが原作に忠実なんだと思う。
    孫の年齢が少し高くなっている、それと現代の姉の恋愛の話が有ったりする、あと宮部久蔵の関係者がこっちの方が多かった。
    映画の方がシンプルにまとめられていて、脚本は上手いなぁ〜と思う。
    おばあちゃんのマツノがヤクザから助けられたのがドラマでは偶然だったことが明確になってるが、映画の方は偶然か必然だったのか?明確にせずに、どちらかと言うと必然と感じさせている。
    一番の違いは、宮部久蔵の弾を避ける操縦法を映画では描いてる点で、これはテレビ版にはない、これは有った方が良かったと思う点。
    結局のところ、特攻がこの時代の人にとってどういうものだったか?と言う一点で、宮部久蔵の物語だが、映画版ではそこに話を集約して描くのに対して、原作・TV版は反戦的な意味合いと共に、戦争へ行った英霊達への賛歌でもある気がする。
    その辺が、この作品に対する賛否なんだろうけど・・・
    特に、特攻から生き残って事業家として成功した老人が、新聞社のチーフ(?姉に仕事を依頼するフィアンセ役)が、特攻とテロの相違について言い合うシーンなんかはそれだと思う。
    映画版では学生達の言い合いでしかなく、どちらに正解が有るかは不明にしている。
    極論を言うとテレビ版・原作では、A級戦犯を否定しておらず、悲しみながらもお国のために死んで行った・・・と言う体をとっている。
    一方で映画版はテロ的な背景・宗教による洗脳=日本軍部による国民の洗脳が有ったとする、一般的な意見を若者に言わせている。
    まぁ~原作ではA級戦犯だけではなく、それを煽った新聞社や世論も有るでは無いか!と言うことなんだろうけど。
    実際に行った人たちがどれだけ辛い思い、家族への想いを残して、お国のために立ったのか・・・と。

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    『永遠の0』の何が問題なのか?

    『永遠の0』の何が問題なのか?冷泉彰彦氏の批評が有ります。

    「重たいジレンマ」を描かず、どちらかと言うと同一視してしまう物語になっている点、その象徴として零戦を描いている点で、冒頭の宮﨑駿監督の言葉の意味を代弁している気がする。
    ただ個人的に、この作品を見て、特攻を肯定したり、英霊賛美に繋がり靖国参拝をしたくなるか?と言うと私はそうは思わなかった、感じなかった。
    むしろ先祖の墓前に頭を垂れる想いしか起きなかった。

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    私的『永遠の0』

    ① テーマが有るか?共感できるか?

    日本は戦後70年が過ぎた、もう2度と戦前が来て欲しくはない。
    愛する“人”を守るために戦いに行った、死にに行った人がいる、しかしそれはお国のためではなく大事な“人”のために捧げた人生だった。
    しかし戦争は悲劇でしかない、愛する人たちのために殺し合いをしなくてはならないのだから。

    ② 作り手の強い意思を感じるか?

    戦争映画は金だけ掛かって儲からない、ヒットしないと言う日本映画の定説が有るらしい。
    そこをあえてヒットメーカーの山崎貴監督×ベストセラー作家・百田尚樹の組み合わせで挑戦。
    戦闘シーンに関しては、徹底したVFXを駆使して再現、岡田准一の演技を引き出していたのは思いの強さだと思う。

    ③ 俳優の意思や演技力が伝わるか?

    この作品の俳優陣は素晴らしかった、岡田准一の正義のための戦争がないことから心が壊れていく姿も印象的。
    景浦を演じた新井浩文・田中泯の二人の存在感が良かったし、これが遺作となった夏八木勲の想いも良かった。

    ④ 映画らしい楽しさが備わっているか?

    戦争映画としてここまで映像化に成功した作品はない。
    『ALWAYS 三丁目の夕日』でも成功したVFXをリアリティのために使った山崎貴監督の執念すら感じる、とてもスケールの大きな作品としても成功している。

    ⑤ エンターテイメント性

    反戦映画でありながら、ドラマで見せる、映像で見せるところは山崎貴監督らしい出来。
    零戦を再現して作ってしまうことと同時に、戦争後半はアメリカの戦闘機に対抗できない旧型で有る点もしっかり描かれていた。

    ⑥ 演出が素晴らしいか?

    山崎貴監督らしい堅実な演出、リアリティを追求するために自然なVFXの使い方は流石。
    岡田准一と井上真央の夫婦、染谷将太が絡んで行くところの恋愛パートと、戦場での男の友情のパートもしっかり描かれていて見応えがあった。
    一方、ラストの回想シーンや現代を零戦が飛ぶシーンは、山崎貴監督らしいやり過ぎのところも。

    ⑦ 脚本が素晴らしいか?

    原作の長編から取捨選択して、英霊賛美から反戦映画になっていたと言う点では良かったと思う。

    ⑧何度も見たくなるか?

    反戦映画でありながら、それが愛する“人”のために、と言う判りやすいテーマで若い人にも見やすい。
    戦争は嫌いだけど、零戦や大和、空母などの兵器が好きと言う男の子の夢を見事に映像化している点でも、何度も見たくなるほどの面白さと完成度を持った作品。

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    映画『永遠の0』のデータ

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    上映時間■144分
    製作国■日本
    公開情報■劇場公開(東宝)
    初公開年月■2013/12/21
    監督■山崎貴
    原作■百田尚樹 「永遠の0」(太田出版刊)
    脚本■山崎貴/林民夫
    主題歌■サザンオールスターズ 『蛍』
    VFX■山崎貴
    出演■岡田准一/三浦春馬/井上真央/濱田岳/新井浩文/染谷将太/三浦貴大/吹石一恵/田中泯/山本學/平幹二朗/橋爪功/夏八木勲

    ■日本アカデミー賞2014年
    作品賞
    主演男優賞 岡田准一
    助演男優賞ノミネート 三浦春馬
    監督賞 山崎貴
    脚本賞ノミネート 山崎貴/林民夫
    他

    オフィシャルサイトはこちらから

    【解説】
     放送作家として活躍する一方、小説でもヒットを連発する百田尚樹のデビュー作にして一大ベストセラーとなった同名小説を「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督が映画化した戦争ドラマ。現代の青年が、零戦パイロットだった祖父の戦死の謎を調べようとかつての戦友のもとを訪ね歩く中で、戦争の不条理と向き合っていく姿を描く。出演は零戦パイロットの青年・宮部久蔵に岡田准一、その妻・松乃に井上真央、そして2人の孫で調査を進める青年・佐伯健太郎に三浦春馬。
     司法試験に落ちて進路に迷う青年、佐伯健太郎。ある日、今の祖父とは血のつながりがなく、血縁上の祖父が別にいることを知る。その実の祖父の名は、宮部久蔵。太平洋戦争で零戦パイロットとして戦い、終戦直前に特攻出撃により戦死していた。そこで宮部について調べ始めてみると、かつての戦友はみな口を揃えて宮部を臆病者と非難した。天才的な操縦技術を持ちながら、生きて還ることに執着した腰抜けだと言うのだった。にもかかわらず、なぜ宮部は特攻に志願したのか。やがて、ついに宮部の最期を知る人物に辿り着く健太郎だが…。(映画データベース – allcinema より

  • 映画『シン・ゴジラ』 2016夏・ゴジラが復活!日本が再生する!

    映画『シン・ゴジラ』 2016夏・ゴジラが復活!日本が再生する!

    映画『シン・ゴジラ』 SHIN GODZLLA

    現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)。

    復活したゴジラが日本映画の象徴になる

    2016年夏、ゴジラが復活した!
    第1作の『ゴジラ』(1954年)が公開されてから約60年、現在までに国内で計28作品が製作され「ゴジラ・シリーズ」
    今作品で、遂に累計観客動員数が1億人を突破したそれも納得の作品、日本を代表するシリーズ映画として君臨する「ゴジラ」。
    但し、第1作以外のゴジラは、ウルトラマンやガメラなどの子供向けの怪獣映画になっていってしまった。
    実際、’50年代の映画の隆盛期から衰退期に入って、興行収入を考えると子供に観てもらえる映画としてシリーズ化するのは当然かもしれない推移だった。

    一方、日本で誕生したゴジラというキャラクターは、世界の「Godzilla」となり“キングオブモンスター”として人気を博しています。
    海外でも「ゴジラ」の評価は高くローランド・エメリッヒの『GODZILLA』(ゴジラと言うよりイグアナの大きいの)や記憶に新しい2014年にはハリウッド版『GODZILLA』(世界の渡辺謙さんが出演!)が全世界で興行収入570億円以上、国内でも32億円と大ヒットを記録している。

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    そして今回、庵野秀明総監督+樋口真嗣監督(特撮監督)で見事な復活!
    初代『ゴジラ』が帰ってきた!そんな感じ。
    実は私は「ヱヴァンゲリヲン」を観たことがない!(自慢w)どちらかと言うと庵野秀明さんと言えば、宮﨑駿監督の『風立ちぬ』の主人公・堀越二郎の声をやった人、と言う印象しかない(汗)
    「ヱヴァンゲリヲン」を知ってる人は、今回のゴジラは、まんまヱヴァらしい。
    チラッとテレビで見たけど雰囲気は判る。
    それと2作目以降のゴジラ・シリーズもほとんど見たことがない、特に平成ゴジラは全く見ていない・・・『ゴジラ FINAL WARS』はゲテモノ見たさでと言うのはあるけど。

    そして今作品は、初代・ゴジラと同様にゴジラ誕生から日本初上陸の話になっている。
    原点に戻って、ゴジラを再構築したと言う感じ、登場の仕方もビックリしたけどネタバレになるからこれ以上は書きません。
    にしても、怪獣映画と言う虚構を映像化にする以上、ゴジラの存在以外をリアルに描いている。
    映画では「一つだけ(大きな)嘘をついて良い」と言う物語作りの暗黙の了解(?)があるけど、逆に言うとそれ以外、リアリティが求められる。
    これは『ジュラシック・パーク』にも言えることだけど、現代に恐竜を復活させる技術は未だないが、そこに嘘が有るとして、恐竜の動きや生態に関しては出来る限りリアルに描く必要がある。
    今回、ゴジラと言う未知の生物で有り、敵の登場に日本政府や日本人がどう接するか?このとことんリアリティにこだわった作りが凄かった。

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    ’54年に現れたゴジラを、2016年の今復活させた意味、それは今の日本を描くことにある。
    自衛隊のあり方や日本の政治家、それを超えた知恵と勇気、アメリカを含む海外の思惑。
    そのためには、自衛隊の扱い方のリアリティも凄かった、10式戦車から富士山麓から155ミリ榴弾砲をぶっ放す、無人戦闘機から何から何までリアルに演出している。
    ある意味、福島の原発のメルトダウンとゴジラが被っている部分もあると思う。

    全体としては、本当に詰め込み過ぎというくらい、今の日本を克明に描きつつ、ゴジラ退治のためにアメリカの力を借りて、核融合をエネルギーとしているゴジラを核爆弾で退治すると言う話を縦軸に配して、様々な横軸が展開していく。
    長谷川博己演じる主人公(主人公はゴジラだけど、半分以上寝てるので)は、日本の政治構造や外交と言ったものに関わりながら、日本人の良心を表現している

    一方で日本的な人間ドラマ(恋愛とか家族愛)と言ったものをスッパリ切り捨てた潔さには拍手!
    最後に新幹線とかを突っ込ませるのも最高!!
    怪獣映画として、そしてVFXとして、日本生まれのゴジラ映画として、何の手抜きもない作品に仕上がっていて、ここまやるか!?と感心させられた。
    オープニングも伊福部昭のゴジラのテーマ曲も、故・岡本喜八監督のカメオ出演も、その他沢山の俳優がカメオ出演しているし、ゴジラ愛・日本映画愛を感じる作品。

    唯一残念だったのが石原さとみ。
    彼女の役は、アメリカ人にやって欲しかった、40代で女性のアメリカ大統領になる名門の出が日系アメリカ人と言うのは、ゴジラの存在並みに真実味がない、嘘は一つまで。
    好きな女優さんだけにちょっともったいなかった。

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    私的『シン・ゴジラ』

    ① テーマが有るか?共感できるか?

    この作品には初代ゴジラと共通のテーマが有る、それはゴジラよりも人間の行いの方が恐ろしいと言うもの。
    人間は自分たちの利益を再優先する、ゴジラが生まれた理由、ゴジラを殺す方法、全てが人間のエゴの上に立っている。
    しかし、窮地に立ってそこを乗り越えていく、戦後の日本人の姿にも共通するものを感じた。

    ② 作り手の強い意思を感じるか?

    何故、今、ゴジラなのか?ちゃんとその答えを持っている、第1作目の『ゴジラ』も喧々諤々とその対策を練るシーンが描かれる。
    ゴジラを通して日本人を描こうとしている、そして今の日本、将来の日本への希望が描かれている。

    ③ 俳優の意思や演技力が伝わるか?

    長谷川博己も力演、その他の主要の配役も力演。
    防衛大臣が女性と言うのもモデルがいるのか?(笑)斎藤工、犬童一心監督、小出恵介と沢山の俳優がカメオ出演、みんな日本映画への愛を感じる。

    ④ 映画らしい楽しさが備わっているか?

    日本でここまでVFXを使ってスケールの大きな作品を作ってくれるとは。
    白組の頑張りが凄い!ゴジラの武器もそう来ますか!

    ⑤ エンターテイメント性

    ゴジラをちゃんと描いた、ハリウッドを超えるエンターテイメントだったと思う。
    『パシフィック・リム』にもちゃんと勝っていた、ギレルモ・デル・トロ監督の日本の怪獣映画愛にもちゃんと応えたと思う。

    ⑥ 演出が素晴らしいか?

    演出はヱヴァのまんまらしい。
    それはおいといて、最近の日本映画(洋画も?)はやたらと俳優のドアップが多くないか?と。
    にしても、自衛隊とか日本の政治家とか、リアル過ぎてその演出は良かった。

    ⑦ 脚本が素晴らしいか?

    意外性もあるのに、ちゃんと初代ゴジラの主旨も受け継いでいた。
    怪獣映画に徹して、日本映画に有りがちな、恋愛や家族愛に走らなかったのも良かった。

    ⑧何度も見たくなるか?

    これは映画館でも、ビデオになっても何度も見たくなる。
    それ以前に、色々と詰め込み過ぎ、しかもちょっとした庵野秀明監督の思い入れのシーンとか遊びも有って、細々とチェックしてみたい。
    ゴジラ愛・映画愛が高じるとここまでこだわった映画になる、それは何度も見たくなる。

    映画『シン・ゴジラ』のデータ

    2016年製作

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    【キャスト・スタッフ】
    長谷川博己 竹野内豊 石原さとみ

    脚本・総監督:庵野秀明
    監督・特技監督:樋口真嗣
    准監督・特技統括:尾上克郎
    音楽:鷺巣詩郎

    公開日 :2016年7月29日
    公開情報 :全国東宝系にてロードショー

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    公式サイトはこちら

    【ストーリー】
    東京湾・羽田沖—。
    突如、東京湾アクアトンネルが巨大な轟音とともに大量の浸水に巻き込まれ、崩落する原因不明の事故が発生した。
    首相官邸では総理大臣以下、閣僚が参集されて緊急会議が開かれ、「崩落の原因は地震や海底火山」という意見が大勢を占める中、内閣官房副長官・矢口蘭堂(長谷川博己)だけが、海中に棲む巨大生物による可能性を指摘。内閣総理大臣補佐官の赤坂秀樹(竹野内豊)をはじめ、周囲は矢口の意見を一笑に付すものの、直後、海上に巨大不明生物の姿が露わになった。
    慌てふためく政府関係者が情報収集に追われる中、謎の巨大不明生物は鎌倉に上陸。普段と何も変わらない生活を送っていた人々の前に突然現れ、次々と街を破壊し、止まること無く進んでいく。
    政府は緊急対策本部を設置し、自衛隊に防衛出動命令を発動。さらに米国国務省からは、女性エージェントのカヨコ・アン・パタースン(石原さとみ)が派遣されるなど、未曽有の脅威に対し、日本のみならず世界もその行方を注視し始める。
    そして、川崎市街にて、“ゴジラ”と名付けられたその巨大不明生物と、自衛隊との一大決戦の火蓋がついに切られた。
    果たして、人智を遥かに凌駕する完全生物・ゴジラに対し、人間に為す術はあるのか?
    (C)2016 TOHO CO.,LTD.

  • 映画『地獄に堕ちた勇者ども』 リアリズムからデカダンへ、ナチズムを描く

    映画『地獄に堕ちた勇者ども』 リアリズムからデカダンへ、ナチズムを描く

    映画『地獄に堕ちた勇者ども』 LA CADUTA DEGLI DEI

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    ルキノ・ヴィスコンティの生涯についてはこちらから

    ルキノ・ヴィスコンティ -作品と演出- はこちら

    ヴィスコンティに取っての集大成と言える

    時代がナチの時代に移行しようとする中で、滅び行く古い階級の人々のしがみつく姿が象徴的な描かれる。
    また、それを壊す象徴的な事件として、息子による母親の強姦のシーンが有る。
    旧時代の上流階級も、ナチズムも人間の中に有るもの“欲求”の一部でしかない。
    それがぶつかり合った時に、強いものが弱いものを駆逐する・・・その時の弱いものの悲劇、また、そこには強いもの達にも悲劇が有ると・・・
    この作品では、ヘルムート・バーガーの女装シーンなど1920年代のヴィスコンティのパリでの文化的影響も強く見ることが出来る作品でもある。

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    ヴィスコンティの大きな転換期を迎えた作品と言えよう。
    彼の『山猫』がリアリズモの時代から退廃と言った時代への転機としたら、この作品で見事にヴィスコンティは変わったと言える。
    この作品のテーマはナチズム(=ファシズム)で有る。
    それはヴィスコンティの中の退廃と言うものを一番表現したものかもしれない。
    ヴィスコンティは人間の欲望と言うものを、これ以降の作品の中で一貫して描いていく。
    この作品でのナチズムは人間の欲望の象徴である。
    アッシェンバッハが、マルチンに「フリードリッヒはナチズムの本質が判っていない」と言う。
    ヴィスコンティの人生において、第二次世界大戦を経験し彼は一時期、共産党の戦士としてファシズムと対峙する。
    この物語もドイツがワイマール憲章による民主国家が、ロシアの共産主義の脅威にさらされて、その反動で右傾化した事がナチズムの台頭を生んだ。
    しかしその本質として、何故、ナチズムがこれ程までにドイツの中で蔓延ったのか?それを、ヴィスコンティは鋭く映像化している。

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    それは人間の本質的なところに有るのだ!
    人間の欲望を膨らませること、そして必ずその欲望を実現すること...そのためには手段を選ばないこと。
    誰にでも存在する“欲望”、その恐ろしさこそがナチズムの恐怖そのものなのだ...
    ヴィスコンティの凄いところは、その欲望の表現手段に有る。
    見事なまでに人間個々の欲望、フリードリッヒの権力欲で有り、ソフィの独占欲で有り、アッションバッハの権力欲で有り、マルチンの倒錯的な愛欲...それら全ての欲望を飲み込んでしまう。
    そして明確な形が無いまま増殖する...
    そうナチズムは、それそのものが“欲望”なのである。

    damned

    ヴィスコンティは、一見、ナチズムを優美で甘美に描いているようにも見える。
    ナチの黒と赤の制服、美しい食卓、可愛い少女達...またナチと権力争いをしていた突撃隊の粛正...突撃隊も一方で“欲望”が生み出した怪物。
    しかしナチの怪物の前に喰われてしまう運命であったのだ...
    その欲望が余りにも美しいことがナチズムの誘惑であり、それを表現し得るのはヴィスコンティしかいない...
    恐ろしくも美しい、美しいから恐ろしい...そんな作品である。

     

    映画『地獄に堕ちた勇者ども』

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    The Damned
    La Caduta Dei 157分 1969年 イタリア/スイス/西ドイツ(現ドイツ)

    監督■ルキノ・ヴィスコンティ
    製作■アルフレッド・レヴィー/エヴァー・ハギャッグ
    原案・脚本■ルキノ・ヴィスコンティ/ニコラ・バダルッコ/エンリコ・メディオーリ
    撮影■アルマンド・ナンヌッツィ/パスカリーノ・デ・サンティス
    音楽■モーリス・ジャール
    編集■ルッジェーロ・マストロヤンニ
    美術■パスクァーレ・ロマーノ
    衣装■ピエロ・トージ/ヴェラ・マルツォ
    助監督■アルビーノ・コッコ/ファニー・ヴェスリンク
    製作会社■ペガソ・イタルノレッジオ/プレジタン/アイヒベルク・フィルム
    備考■テクニカラー
    日本公開■1970年
    出演■ダーク・ボガード/イングリッド・チューリン/ヘルムート・グリーム/ヘルムート・バーガー/ルノー・ヴェルレー/ウンベルト・オルシーニ/ルネ・コルデオフ/アルブレヒト・ショーンハルス/フロリンダ・ボルカン/ノラ・リッチ/シャーロット・ランプリング

    1969年アカデミー賞
    脚本賞ノミネート ルキノ・ヴィスコンティ/ニコラ・バダルッコ/エンリコ・メディオーリ

    【解説】
     ヴィスコンティのドイツ三部作の巻頭を飾るのは、第三帝国の隆盛と共に崩壊に向かっていく鉄鋼王国一家の悲劇をオペラ的に描く頽廃の叙事詩である。ドイツの工業中心地帯、ルール地方に権勢を誇る製鉄王、男爵エッセンベック老の誕生日に一族郎党が集まる開幕からして実に怪しい雰囲気で、老男爵の財産を皆が虎視眈々と狙っているのが一目にして分かる。ナチス躍進の33年2月のことだ。おりしもベルリンで国会議事堂焼き討ちの報が入り、不気味さは増す。やがて男爵は、従弟のアッシェンバッハ(グリーム)の差し金で邸内に乱入した親衛隊の騒動の中、娘ソフィ(チューリン)とは愛人関係にある総支配人フリードリヒ(ボガード)の手で射殺され、大コンツェルンの実権は彼らに握られる。アッシェンバッハは更に、目障りな親族たちを片端から始末し、男爵の甥の息子ギュンター(ヴェルレー)はナチに引き入れ、ソフィの息子マーティン(バーガー)の偏執的な性格を利用し、母とその愛人を毒殺させる。が、自分のしでかしたことの重みに耐えかねマーティンも自殺し、遂にナチ以外の一族郎党は消え失せ、エッセンベック邸の広間には巨大ハーケンクロイツの旗が飾られる。凄惨美というのか、ここに描かれるナチズムの恐怖は、作者の意図に反して、浪漫的なものと受け止められてしまっている節もあるが、実に堂々たる滅びの美学の中に潜む諧謔を見逃してはならない。にしても、バーガーが絶望的享楽に耽るシーンの妖しいこと……。(映画データベース – allcinema より)
    第二次世界大戦中『郵便配達は二度ベルを鳴らす』によって、ネオ・レアリスモの口火を切った、ヴィスコンティ監督が、大戦前のドイツを舞台にナチズムによって富と権力を奪われていく、鉄鋼一族の悲劇を描きながら、歴史そのものまで語り尽くした集大成とも言える作品。
    監督自身“今の若い人々に戦争の恐ろしさを知って貰うために、この映画はもっと早く作られるべきであった”と語っている。
    ナチスが台頭し始めた1933年の冬、ルール地方に勢力を持つ鉄鋼王、エッセンベック家の集いの夜、当主が何者かの陰謀によって暗殺される。
    この事件を契機に起こる、一族の跡目相続の骨肉の争いと、それによって漁夫の利を得ようとする陰険なナチス親衛隊の存在を描き出す。
    『ベニスに死す』へ続くドイツ三部作(’72年の『ルードウィヒ/神々の黄昏』で完結)の最初に位置するこの作品で、ヴィスコンティは人間の愛憎と相剋をデカダンスの極致とも言える映像美で浮き彫りにする。

  • 映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』をMX4Dで観てみた!

    映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』をMX4Dで観てみた!

    映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』

    STAR WARS:THE FORCE AWAKENS 136分 アメリカ 2015年

    スター・ウォーズ/フォースの覚醒

    伝説は語り継がれる―すべての人に。

    【字幕版】
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    【吹替版】
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    遂に再始動!ディズニー版スター・ウォーズ

    大ヒット上映中!ですが、実は「妖怪ウォッチ」に負けていると言う事実が・・・
    全世界的には、記録的な大ヒットのようです。
    『フォースの覚醒』ですが、スター・ウォーズサーガで言うところの、第3章の1話にあたります。

    第2章を知らないと、話が半分くらい判らないと思います。
    (巷では、それでも面白いと言う若者が多いらしいですけど...)

    何故か、テレビでの放送が、映画公開後と言う不思議、ディズニーのようなマーケティングの強い会社にしては珍しい失敗だと思います。

    と言うことで、『フォースの覚醒』を見る時は、事前に『スター・ウォーズ』のエピソードⅣ、Ⅴ、Ⅵを見ることをお勧めします。
    あと、ディズニー・ランドのスターツ・アーズが好きな人には、是非、MX4Dでの鑑賞をオススメ!

    僕の世代(40代、50代)以上の人なら判ると思うけど、1977年の『スター・ウォーズ』(当時は副題なし)は衝撃的で日本でも大ヒット。
    アメリカで大ヒットした映画と言うことで、当時の映画雑誌「スクリーン」や「ロードショー」でも多く取り上げられた記憶が有ります、日本上陸前からワクワクドキドキ。
    ちょうどテレビゲームとの相乗効果も有ったんだと思う、『スター・ウォーズ』とインベーダーゲームがリンクしていたんだと思う、この世代の若者には。

    ジョージ・ルーカスがアメリカで『スター・ウォーズ』を企画した時は、ハリウッドでは、あまりにも非現実的なストーリーに「こんな映画当たらない」とそっぽを向いたけど、独りだけ応援した人物がいた、それが既に『ジョーズ』で大ヒットメーカーになっていたスティーヴン・スピルバーグ、その人だという話(伝説?)が残っている。

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    もちろん、公開当時は一話完結で作った話(ダース・ベイダーも死なないけど)だけど、ルーカスの構想の中には、既にこの時点で9作品の話だったと言うのは、’80年代頃には有名な話。
    エピソードⅠを作り始めた頃に、ルーカス自身の年齢とかの問題で、エピソードⅦ(今回の『フォースの覚醒』)以降の構想は一旦、諦めたと言う話が日本にも飛び込んで来ていた。

    それにしても、今作品、ここまで第二章へのオマージュにあふれた作品になっているとは思わなかった。
    第一章が、第二章より昔話なのに、何故か、兵器類が洗練されて強力に見えてしまう。
    第二章の終わりから30年後の設定の今作品では、しっかりミレニアム・ファルコン号やXウィングを出してくれるところが嬉しい。

    物語は・・・と言うと、実は第二章の焼き直しのような内容。
    この辺りが、賛否の分かれるところなんだろうか?実は主人公の正体が最後まで明かされない。
    おそらくこの辺りが、この物語のキーになっていくんじゃないかなぁ~
    と言うことは、3部作が前提の作品とも言える、でもこれだけで楽しめないか?と言うと十分楽しめる。
    その辺は、『スター・ウォーズ』の良いところで、キャラクターが立っている、皆個性的という点。
    『スター・ウォーズ』が元々、有名スターを一切使わず(アレックス・ギネスとピーター・カッシングくらいかな)に、主人公たちはほぼ無名の俳優を使うのは、今回も踏襲されている。

    なんと言っても主人公(の筈)レイ役のデイジー・リドリーが魅力的、オーディションから主役を射止めた無名俳優だけど、美人だし行動的で徐々にフォースに目覚めていくとところと、そのオドオドしたところも良かった。

    今回の悪役はカイロ・レンになる訳だけど、あっさりと顔出ししてしまったのは、ダース・ベイダーと違うところ、ちょっとアッサリし過ぎかなぁ~今後の展開に何かあるのかな?
    それにしても、フィンの立場が判らない・・・う~ん、ネタバレになるからこれ以上は書けないけど。

    今回は第二章のメンバーが総出している、マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャーと。
    怪しいのは、ルピタ・ニョンゴとマックス・フォン・シドーとダニエル・グレイグ(クレジットも無し、どこに出てた?)の存在、絶対、今後、何かさせるしレイとフィンの正体にも関わってくるのでは?と感じさせる。

    今作品の監督には、J・J・エイブラムスを起用、テレビ・シリーズの「エイリアス」「LOST」の大ヒットから映画『M:I:Ⅲ』、『スター・トレック』シリーズの監督をやっている、稀代のヒットメーカー。
    従来の『スター・ウォーズ』シリーズよりもアクション性が強調されていると思う。

    そこで、今回はMX4Dで見てみた!実に3,000円超えの料金になる訳だけど(汗)
    結果から言うとこれが正解!
    機会があるなら、MX4Dでの鑑賞をオススメ!ディズニー・ランドでスターツ・アーズに乗ったことがある人なら、あれが2時間続くと思ってくれると良い。
    流石に酔う人も出そうだけど(笑)それぐらい楽しめる作りになっている。

    MX4Dの詳しい説明はこちらのリンクで

    ある意味、映画館の正常進化だと思う、3Dの映像を見ながら体感するのが4Dと言う感じ。
    こういう作りの映画だから4Dが合うわけだけど、今後もこういう映画が増えて、映画館に足を運ぶ人が増えてくれると嬉しい限り。

    私的『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』

    テーマが有るか?共感できるか?

    シリーズとしては一貫して親子物語であり、善悪の表裏一体を描いているが、それ自体は共感できるし理解もできるが、3部作全作品を見てみないとどう展開するか、未だ判らない。

    作り手の強い意思を感じるか?

    監督のJ・J・エイブラムスも含め、『スター・ウォーズ』への愛情を強く感じる、それ以上でもそれ以下でもない。

    俳優の意思や演技力が伝わるか?

    今回は第二章のメンバーが、もう歳取ってでも出演したところに俳優としての意思と言うか意地を感じる。
    ただ、演技力という点では、この手の映画はもったいない、それ程、演技力を求められない作りとも言えるし。

    映画らしい楽しさが備わっているか?

    もう映画館で必ず見ましょう!と。
    VFXの凄さとも言えるけど、一応、全シリーズ映画館で見てるけど、3Dも自然だし、4D体験も何の違和感も感じなかった、むしろスターツアーズとかのノウハウが生きている感じ。
    今後の映画(の鑑賞方法)の方向性を示している感じがした。

    エンターテイメント性

    文句なし!J・J・エイブラムス監督が楽しませると言う事を徹底的にしている。
    今回はヒロインが主人公、時代性かもしれない。

    演出が素晴らしいか?

    アクション面に関しては完璧、人間ドラマの部分もハン・ソロとレイアの関係とか、ハン・ソロと...の関係とか、見せるべき点も多いが、そもそも物語として隠しているところが有るので、演出としてスッキリしないところもある。

    脚本が素晴らしいか?

    人間物語とアクションを両立させている点で素晴らしい、ただこれから期待の部分もあるため、期待値として。

    何度も見たくなるか?

    映画館でも何度も見たい。
    ただ『スター・ウォーズ』(エピソードⅣ)は、映画館だけでも10回以上は見ているが、そこまでの興奮は感じなかった。

    映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のデータ

    STAR WARS:THE FORCE AWAKENS

    監督■J・J・エイブラムス
    製作■キャスリーン・ケネディ/J・J・エイブラムス/ブライアン・バーク
    製作総指揮■トミー・ハーパー/ジェイソン・マクガトリン
    キャラクター創造■ジョージ・ルーカス
    脚本:ローレンス・カスダン/J・J・エイブラムス/マイケル・アーント
    撮影■ダニエル・ミンデル
    プロダクションデザイン■リック・カーター/ダーレン・ギルフォード
    衣装デザイン■マイケル・カプラン
    編集■メアリー・ジョー・マーキー/メリアン・ブランドン
    音楽■ジョン・ウィリアムズ

    出演■ハリソン・フォード/キャリー・フィッシャー/アダム・ドライバー/デイジー・リドリー/ジョン・ボイエガ/オスカー・アイザック/ルピタ・ニョンゴ/アンソニー・ダニエルズ/ケニー・ベイカー/ピーター・メイヒュー/マーク・ハミル/マックス・フォン・シドー/ダニエル・クレイグ

    スター・ウォーズ/フォースの覚醒 MovieNEX(初回限定版) ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド Blu-ray — Amazonで見る

    「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」公式サイト

    【解説】

     映画史に燦然と輝くSF映画の金字塔「スター・ウォーズ」シリーズが、監督に「スター・トレック」「SUPER 8/スーパーエイト」のJ・J・エイブラムスを迎え、新たなる3部作の幕開けとして贈る全世界待望のSF超大作。
    「スター・ウォーズ エピソードVI/ジェダイの帰還」からおよそ30年後を舞台に、家族を待ち続ける孤独な女性レイと、戦うことに葛藤するストームトルーパーの脱走兵フィンとの出会いが導く壮大な冒険の始まりを描く。
    出演はヒロインのレイ役に新人デイジー・リドリー、フィン役に「アタック・ザ・ブロック」のジョン・ボイエガ。
    そのほかアダム・ドライバー、オスカー・アイザック、ルピタ・ニョンゴらが新キャラクターとして登場。
    さらに、ハリソン・フォード、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャーはじめ旧シリーズの伝説的キャラクターを演じたキャストたちも豪華に再登場。(映画データベース –allcinema より)

  • 映画『インビクタス/負けざる者たち』 ラグビーの臨場感が凄い!

    映画『インビクタス/負けざる者たち』 ラグビーの臨場感が凄い!

    インビクタス/負けざる者たち

    INVICTUS 134分 2009年 アメリカ

    インビクタス/負けざる者たち

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    ひとつの願いが、 ほんとうに世界を変えた物語。

    南アフリカがラグビーでワールド開催をした意味とは

    今年(2015年)は、ラクビーワールドカップで日本中が湧いた年でした。

    日本が大金星を挙げた相手が南アフリカでした。
    南アフリカはラグビーの強豪国でしたが、アパルトヘイトのために当初はワールドカップに参加が出来ませんでした。
    1994年にアパルトヘイトがネルソン・マンデラによって廃止されて、初めてワールドカップに参加、それも自国開催に踏み切った・・・この作品はそんな背景の話です。

    この作品は本当に本当に立派な映画です。
    クリント・イーストウッド監督は『グラン・トリノ』で俳優の生涯を終えて(引退→その後出演してますが)、監督一本にと言っても、もう既にアカデミー賞も数々の賞も授賞して、今は本当に撮りたい作品だけを撮れる偉大な監督の一人だと思う。
    何故、アメリカ人の彼がこの作品を撮りたかったのか?本当にそこが知りたいところ。
    アカデミー賞にもノミネートされず、アメリカでは興行的に成功では無かった作品。
    理由は簡単で、ストーリー自体がアメリカ人には理解出来ないから・・・ 顕著なのは『硫黄島からの手紙』だった。
    アメリカでは興行は散々、評価も殆どされなかったが、個人的にはイーストウッド監督の最高傑作だと思っている。

    硫黄島からの手紙 Blu-ray — Amazonで見る

    さてこちらに話を戻すと、アメフトの国アメリカ、でラグビーの話しなんて誰も理解出来ないと思う。
    アメリカでは、3大スポーツ(アメフト、バスケ、野球)の下にアイスホッケーやオリンピック?その下にサッカー、更に下の下位にラグビーが有ると言っても良いかも。
    日本でもラグビーの位置付けは、アメリカ程低くは無いと思うが(実際は知らない)、ある程度ラグビーを知っている、少なくともラグビーのワールドカップを見たことが無いと判らない部分が多いと思う。
    私はと言うと、それ程ラグビーに造詣が深い訳では無いが、高校の授業でラグビーをやらされたせいか、ワールドカップは毎回見ている。
    もちろん今回の舞台になった’95年の大会も決勝戦はTV観戦している。
    そう言う視点で見ると、もうホント、映画としてイーストウッド監督が立派に撮っていると言う点、政治とスポーツの関係(その中にある理念や信念)も立派なのだが、それ以上にスポーツ映画なのだ!!
    ここは強調したいが、立派なラグビー映画に仕上がっている。
    ある意味、『炎のランナー』はオリンピックの100m走を知らない(そんな人はいないと思うが)と理解出来ないし、サッカーを知らないと『ベルンの奇蹟』や『GOAL!』を見ても感動出来ないかもしれない。
    日本人には、アメリカのアメフト映画が理解出来ないのと同様だ。

    もう臨場感溢れる立派なラグビー映画、もちろんニュージーランド・オール・ブラックスのハカも出てくる。
    そんな立派なスポーツ映画、ラグビー映画だからこそ、スポーツ・ラグビーの素晴らしさが伝わり、それこそが人々の心を一つにする共通の言語だと伝えてくれる。
    映画と言う共通言語、スポーツと言う共通言語、そのことが国民を一つにして、差別の壁を取り去っていく。。。不可能を可能に!(インビクタスとはラテン語で「不屈」を意味します)

    そしてまた立ち戻るが・・・アメリカ人のイーストウッド監督が何故、ラグビー映画を撮ったのか?しかもこんなに立派に。
    エンディングには、ホルストの「惑星」第4曲「Jupiter」が流れるが、日本では平原綾香が歌った曲が有名だが、これはラグビーのワールドカップのテーマ・ソング「ワールド・イン・ユニオン」(1991~)として歌われている。

    Rugby World Cup Official Song “World in Union” from 95’s Ver
    There’s a dream I feel, so rare, so real: All the world in union, the world as one gathering together, one mind, one heart, Every creed, every colour, once joined never apart. Searching for the best in me, I will find what I can be, If I win, lose or draw, there’s a winner in us all, It’s the world in union, the world as one, as we climb to reach our destiny, Our New Age has begun! We face high mountains, must cross rough seas, We must take our place in history, and live with dignity, Just to be the best I can Sets the goal for every man, If I win, lose or draw, it’s a victory for all, It’s the world in union, the world as one, as we climb to reach our destiny, Our New Age has begun. Build the world in the union, Our New Age has begun!!

    (私には、夢がある―― とっても貴重で、とっても誠実な夢 全ての世界は繋がっている、そう、世界は1つ 全人類が共に集まり、一つの精神、一つの心を共有する―― 全ての主義、全ての肌の色―― 一度一緒になれば、それは二度と離れ離れになることはない 自分の中の“ベスト”を捜して、自分が出来る事はきっと見つかる 例え勝っても、負けても、引き分けでも、全てが“勝利”なのだから! 世界は一つの共同体(=ラグビーの事)、一つになった世界 自信の運命に手を伸ばし、登りつめて行く時―― 私たちの新しい時代が始まる!)

    もう、独りで劇場で涙しながら観ちゃいました(汗)

    マンデラ大統領とピナール

    私的『インビクタス/負けざる者たち』

    ① テーマが有るか?共感できるか?

    映画が世界で見られる訳、そしてラグビーと言ったスポーツが愛される訳、言葉が通じなくても感動は通じる共通言語。ラグビーと言う共通言語のスポーツを通して人種差別のない世界を望む強い意思を感じることができる。

    ② 作り手の強い意思を感じるか?

    原作映画でもあり、イーストウッド監督は共感を持って作ったのが感じられる。
    そして、本当に臨場感があるラクビーの試合シーンを再現している。
    黒人のマンデラ大統領と白人のキャプテン・ピナールの友情も、人種の融和を表現していて見事。

    ③ 俳優の意思や演技力が伝わるか?

    モーガン・フリーマンのネルソン・マンデラは見事!
    似ているかどうかはともかく、偉大な人物に共通のもの、意志が強くそして柔和な外見、そんな人柄を表現している。
    マット・デイモンは、体重を大幅に増やしてラグビー選手体型になって臨んだ作品だけに気合十分、モーガン・フリーマンとのバランスも良かった。

    ④ 映画らしい楽しさが備わっているか?

    ラクビーの決勝戦がクライマックスに来るこの作品、大迫力。
    スタジアムにいる臨場感が感じられる!

    ⑤ エンターテイメント性

    立派な映画で政治的な映画でもある、しかしスポーツ映画で有り、感動的でしかも爽快感も味わうことができる作品。

    ⑥ 演出が素晴らしいか?

    イーストウッド監督は、どんなテーマの作品を撮っても、一級の作品に仕上げてくる。
    特に今回は、ラグビーと言うスポーツであり、ここまで臨場感のある試合シーンを演出仕上げている点は驚き。
    もちろん作品全般としても、流石の演出で友情という人間性も表現していた。

    ⑦ 脚本が素晴らしいか?

    原作のある作品である以上、半分は原作の面白さとも言えるが、政治的な繊細な部分を友情で乗り越えていくリンクぶりが脚本の上手いところか。

    ⑧何度も見たくなるか?

    人に勇気を与えてくれる、そして何事も乗り越えられると言うことを教えてくれる。
    それでいてエンターテインメントとしても十分に楽しめると言う点で優れている。

    映画『インビクタス/負けざる者たち』のデータ

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    監督■クリント・イーストウッド
    製作■ロリー・マクレアリー/ロバート・ロレンツ/メイス・ニューフェルド/クリント・イーストウッド
    製作総指揮■モーガン・フリーマン/ティム・ムーア
    原作■ジョン・カーリン
    脚本■アンソニー・ペッカム
    撮影■トム・スターン
    衣装デザイン■デボラ・ホッパー
    編集■ジョエル・コックス/ゲイリー・D・ローチ
    音楽■カイル・イーストウッド/マイケル・スティーヴンス
    出演■モーガン・フリーマン/マット・デイモン/トニー・キゴロギ/パトリック・モフォケン/マット・スターン/ジュリアン・ルイス・ジョーンズ/アッジョア・アンドー/マルグリット・ウィートリー/レレティ・クマロ/パトリック・リスター/ペニー・ダウニー

     「チェンジリング」、「グラン・トリノ」の巨匠クリント・イーストウッド監督が、アパルトヘイト(人種隔離政策)後の南アフリカで開催されたラグビーワールドカップを巡る感動の実話を映画化したヒューマン・ドラマ。
    アパルトヘイト撤廃後も人種間対立が残る中、国民が一つにまとまる大きな転機となった自国開催のラグビーW杯での奇跡の初優勝までの道のりを、ネルソン・マンデラ大統領と代表チーム・キャプテンを務めたフランソワ・ピナール選手との間に芽生える絆を軸に描き出す。
    主演はモーガン・フリーマンとマット・デイモン。
     1990年、アパルトヘイトに反対し27年間も投獄されていたネルソン・マンデラがついに釈放される。
    そして1994年、初めて全国民が参加した総選挙が実施され、ネルソン・マンデラは南アフリカ初の黒人大統領に就任する。
    しかしアパルトヘイト撤廃後も、白人と黒人の人種対立と経済格差は依然として解消されず、国家はいまだ分断状態にあった。
    マンデラ大統領にとって国民の統合こそが悲願であり、自ら寛容の精神で範を示し、国民に和解と融和を呼びかける。
    そして、翌’95年に南アフリカで初開催されるラグビーW杯を国民融和の絶好のチャンスと捉える。
    彼は、長らく国際試合から閉め出され弱小化していた代表チームのキャプテン、フランソワを官邸に招き、国を一つにまとめるためにW杯での優勝が欠かせないと訴えかける。
    戸惑いつつも、大統領の不屈の信念に心打たれたフランソワは、やがて誰もが不可能と考えた優勝目指してチームを引っ張っていくのだが…。(映画データベース – allcinema より)