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  • 映画『ブラインド・マッサージ』  目が見えないと見えてくる衝撃的な世界

    映画『ブラインド・マッサージ』 目が見えないと見えてくる衝撃的な世界

    映画『ブラインド・マッサージ』

    光を見る目、闇を見る目。

    2017年1月14日(土)より、アップリンク渋谷、新宿K’s cinemaほか全国順次公開

    イントロダクション

    南京の盲人マッサージ院を舞台に、激しい感情のぶつかり合い、目の見える人には想像できない人間関係を描いた本作は、2014年第64回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を、台湾のアカデミー賞・第51回金馬奨で作品賞を含む6冠、第9回アジア・フィルム・アワードで作品賞、撮影賞など、数多くの賞を受賞した作品。

    原作「ブラインド・マッサージ」 ビー・フェイユイ著は中国で20万部のベストセラー小説。
    監督は『二重生活』などのロウ・イエ、主演には新星ホアン・シュエン、実力派のチン・ハオなど。

    心が震える衝撃作品!

    「目には種類があるの。光が見える目と、闇が見える目が――」

    一番、印象的だったのは、盲目の美女をマッサージを受けに来た健常者の男性たちが口々に「彼女は美しい」と言う、すると彼女の外見を見ることができない、同僚の盲人マッサージ師が彼女に強い興味を持ち始めること。

    人は「五感」を持っているというが、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、そして視覚、この中でやはり一番なくて不便なのは視覚なんだと思う。
    美的感覚は、視覚と聴覚から得るものがほとんどのような気がするので、視覚がない場合の「美しい」の意味はなんなだろう、と。

    そして、盲目でありながら、人として生きると言うことは、恋愛もすればセックスもする。
    目が見えないことの不便さ、健常者には計り知れない世界が映し出される。

    私的『ブラインド・マッサージ』

    ① テーマが有るか?共感できるか?

    この作品の根底にあるのは「格差」。
    中国の中でも(日本も同様だけど)貧富の格差が広がっていて、特に盲目と言う弱者には限られた仕事しかできない。

    作品の中で、盲目の主人公が風俗店で売春婦と恋に落ちるが、盲目の人ができる人は自分の肉体を使うマッサージ師くらいしか仕事がない、都会でまっとうなマッサージ師になれる方がまだマシ。
    売春婦も自分の身体でお金を稼いでいる。

    兄弟が背負った借金を肩代わりする話を借金取りとしている中で「目が見えないと、街に立てば”物乞い”としてお金はもらえるが、そんなことはしない」と言う。

    ② 作り手の強い意思を感じるか?

    この作品では目が見えないことが弱者として描かれているが、何が人を弱者にするかは様々であり、そこにスポットを当てることで見えてくるものがある。

    盲目の人からは健常者は”怖い”存在らしい、それは見えているものが違うから、接する態度が変わってくる。
    これは普通の金持ちと貧しい人の間では同じような気がする。

    ③ 俳優の意思や演技力が伝わるか?

    今回、主要な登場人物は、健常者の役者が盲人役をしているが、これは素晴らしかった、てっきり全員盲人の人かと思っていた。

    時には人より激しい感情を露わにする、一昨年くらいに聾唖者の若者たちの生態を描いた『ザ・トライブ』がラストに殺人に走ると言う”動的”な描き方だったが、こちらは”静的”な描き方にも関わらず、感情の起伏の幅が大きく感じたのは、役者の力量の差も大きかった。

    ④ 映画らしい楽しさが備わっているか?

    盲目の世界をどう表現するか?どういう世界が広がっているのか、そして彼ら彼女らが何を考えているのか?そして、盲人が人として生きるという深さを描くには、映画でしかできない世界観があった。

    ⑤ エンターテイメント性

    演出が素晴らしいから、飽きることがない。
    ただ楽しいだけの話ではない、静的な世界観の中に感情的な激しさに衝撃がある。

    ⑥ 演出が素晴らしいか?

    盲目の表現の仕方に、ピンぼけを使ったり、あえて暗闇が続いたり。
    盲人にとっては暗闇は、暗闇ではない、それが日常だから。

    ⑦ 脚本(原作)が素晴らしいか?

    主人公の女性に対する感情、カップルのセックス、そして日常の仕事、主人公が少しずつ成長していくことで、暗闇の中に見える人生の光を感じる。

    ⑧何度も見たくなるか?

    自分が体験できないことでもあるので、非常に興味深い。
    また、青年が成長する物語として、その感情の起伏の激しさを感じることができる。

    今の日本人の若者には少ない「生きる」ことへの欲求を感じることができると言う意味で、見る度に勇気づけられそう。

    映画『ブラインド・マッサージ』のデータ

    原題■推拿/英題:Blind Massage
    製作国■中国/フランス
    製作年■2014年
    上映時間■115分
    監督■ロウ・イエ
    脚本■マー・インリー
    撮影■ツォン・ジエン
    原作■ビー・フェイユイ著 『ブラインド・マッサージ』(飯塚容訳/白水社刊)
    編集■コン・ジンレイ、ジュー・リン
    出演■ホアン・シュエン/チン・ハオ/グオ・シャオトン/メイ・ティンほか
    配給・宣伝■アップリンク
    公開日■2017年1月14日(土)より
    公開情報■アップリンク渋谷、新宿K’s cinemaほか全国順次公開

    公式サイトはこちら

    ■作品紹介
    己の“美”に嫌気がさした女、“美”に執着する男、欲望の中で己を失う男――
    盲人マッサージ院で巻き起こる人間模様を苛烈に描き、観る者の価値基準を大きく揺さぶる衝撃作。

    南京のマッサージ院。ここでは多くの盲人が働いている。幼い頃に交通事故で視力を失い、「いつか回復する」と言われ続けた若手のシャオマー、結婚を夢見て見合いを繰り返す院長のシャー、客から「美人すぎる」と評判の新人ドゥ・ホン。ある日、マッサージ院にシャーを頼って同級生のワンが恋人のコンと駆け落ち同然で転がり込んできたことで、それまでの平穏な日常が一転、マッサージ院に緊張が走る――。

  • 映画『天使にショパンの歌声を』  家を失った少女たちの希望は音楽だった

    映画『天使にショパンの歌声を』 家を失った少女たちの希望は音楽だった

    映画『天使にショパンの歌声を』

    天使にショパンの歌声を

    自然豊かな美しいケベックの小さな音楽学校。
    突然訪れた学校閉鎖の危機に揺れる、教師と生徒たち。
    音楽の力を信じて、いま彼女たちの心は一つになる――

    本年度ケベック映画賞最多6部門受賞!!
    (作品賞、監督賞、主演女優賞、助演女優賞、衣装賞、ヘアスタイリング賞)

    2017年1/14(土)より角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA他全国ロードショー

    イントロダクション

    カナダを代表するフィルムメーカー、レア・プール。奇蹟の実話『天国の青い蝶』(04)、異色の青春映画『翼をください』(01)に続き、時代に翻弄されながらも、音楽の力を信じて強く生きる女性たちを描き、本年度ケベック映画賞最多6部門受賞、そして世界中の映画祭で大絶賛を博した新たな名作が誕生した。
    1960年代カナダ・ケベックの近代化を社会背景に、つつましくも逞しく、伝統と歴史に立ち向かう女性たちの姿に、生きる勇気と希望が沸いてくる。
    劇中には、ショパンの「別れの曲」、リストの「愛の夢」ほか、偉大なる作曲家による数々の有名曲が登場する。
    少女たちが奏でる未来の音色に、美しく豊かな名曲がもたらす希望の光に、誰もが心を打たれるに違いない。

    心に伝わる音楽の響き

    1950~1960年代のクラシックな香りがする作品、それは音楽がクラシックと言うだけではなく、古き良きハリウッド時代のような作風なのが心地よい。
    最近のハリウッド映画は”ハッピーエンド”が当たり前のような感じもあるが、’50~年代のハリウッドの美男美女(スター)映画は悲劇的で、切ない作品が多い、『慕情』や『哀愁』、『欲望という名の電車』、そしてノクターンが印象的な『愛情物語』など。

    この作品は「泣ける映画」ではなく、どちらかと言う微笑ましいヒューマンタッチな作品ですが、ラストはやはり切なくなる、その味わいを楽しむ作品。

    作品は『天使にラブ・ソングを…』にタイトルも、内容も似ている、修道院が音楽で財政難を乗り切ろうとすると、次から次へと災難が降り掛かってくる、その困難を乗り越えて行く姿と音楽が美しい。

    “LA PASSION D’AUGUSTINE”

    私的『天使にショパンの歌声を』

    ① テーマが有るか?共感できるか?

    人生再生の物語、何らかの事情で修道院に入れられた女性たち、そこにしか行き場のない少女たちが、音楽を通して立ち直っていく。
    その場を守ろうとする校長の想いと、成長していく姿が清々しい。

    一方で、世の中はそんな場所に対して寛容さはない。

    ② 作り手の強い意思を感じるか?

    ラストは切ないが、少女たちが成長して巣立っていく姿に、未来への希望を感じる。
    ショパン、リスト、モーツァルトなどの数々の名曲を通して、音楽の持つ力や素晴らしさを感じる。

    それは映画の中での音楽の重要性と言う意味でも、また人生においても・・・

    ③ 俳優の意思や演技力が伝わるか?

    日本では無名な俳優たち、修道院の校長を演じたセリーヌ・ボニアーの演技が素晴らしい。
    修道女や生徒たちも個性的で、生き生きと演じている。

    ④ 映画らしい楽しさが備わっているか?

    映画にとっては映像は大きな要素となるが、心情と曲が非常に合っている。
    また、一昔前のカナダ・ケベックを舞台にしていて、四季の映像を見るのもこの作品の面白さ。

    ⑤ エンターテインメント性

    苦難を乗り越えて行く姿を見せるストーリーに、素敵な音楽の数々、そして美しい映像があり、それだけでも楽しめる作品。

    ⑥ 演出が素晴らしいか?

    実は、監督のレア・プールの演出が良かった。
    シーンを説明するためのセリフが本当に少なくて、代わりに音楽で心情を表現しているようでもあった。

    また、少女に母親が亡くなったことを伝えるシーンを遠景で撮影することでの表現とかが、逆に言葉が聞こえないだけに心に響くものを感じる。

    ⑦ 脚本が素晴らしいか?

    典型的なハリウッド脚本、起承転結がハッキリしていて、次々と苦難が降り掛かってくる。
    そして、校長と姪の少女との対立と理解・信頼へと続く・・・

    決してハッピー・エンドではないが、登場人物たちは成長して希望へと独り立ちしていく。

    リストの「愛の夢 第三番」が印象的に使われていて、ラストへの感動へと続く。

    ⑧何度も見たくなるか?

    誰が見ても面白いと思う反面、ターゲットがハッキリとはしない。
    女性向けの映画と言えば言えるかも、クラシック音楽が(詳しくなくても)好きであれば心地よい映画。
    音楽を聞くような感覚で見れる作品。

    映画『天使にショパンの歌声を』のデータ

    天使にショパンの歌声を

    原題■La Passion d’Augustine
    監督■レア・プール 『天国の青い蝶』『翼をください』
    出演■セリーヌ・ボニアー/ライサンダー・メナード/ディアーヌ・ラヴァリー/ヴァレリー・ブレイズ/ピエレット・ロビタイユ/マリー・ティフォ/エリザベス・ギャニオン
    カナダ/2015/フランス語/カラー/103分/日本語字幕翻訳:古田由紀子/PG-12
    公開日■2017年1/14(土)より角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA他全国ロードショー

    本年度ケベック映画賞最多6部門受賞!!
    (作品賞、監督賞、主演女優賞、助演女優賞、衣装賞、ヘアスタイリング賞)

    公式サイトはこちら

    【ストーリー】
    白銀の世界に佇む小さな寄宿学校。
    そこは音楽教育に力を入れ、コンクール優勝者も輩出する立派な名門校だった。
    しかし、修道院による運営が見直され、採算の合わない音楽学校は閉鎖の危機に直面する。
    校長オーギュスティーヌは抵抗し、音楽の力で世論を動かす秘策を考える。
    一方、転校してきた姪・アリスに天性のピアニストの才能を見出すが、孤独で心を閉ざしたアリスは一筋縄ではいかない問題児だった。
    (c)2015-8212-9294-9759 QUEBEC INC. (une filiale de Lyla Films Inc.)

  • 映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』  今、最高のデート映画、泣ける!

    映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』 今、最高のデート映画、泣ける!

    映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』

    たった30日
    恋するために
    ぼくたちは
    出会った

    イントロダクション

    150万部を突破した大ヒット小説「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」が遂に実写映画化!

    主人公・高寿を演じるのは、今、大人気の福士蒼汰、そしてヒロインには、ヒット作に出演し続ける注目の若手女優・小松菜奈。
    初共演の二人が、せつない運命を背負ったカップルを演じます。
    こちらも人気の若手俳優・東出昌大が、高寿の背中を押す親友役を熱演。

    監督・脚本には『ホットロード』『アオハライド』等、多くの恋愛青春映画のヒット作を世に出す三木孝浩監督×吉田智子コンビがふたたびタッグを組み、物語の舞台である京都の風光明媚な景色の中で、20歳のかけがえのない一瞬一瞬をみずみずしく映し出します。

    たまにはアイドル&デート映画で涙してみる!

    今年の日本映画を見ていて気付いたのは、『君の名は。』もこの作品も、そしてテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」でも、モテナイ男の恋愛説明書(トリセツ)が必要なんだなぁ~って。

    それを今、もっとも人気のある若手俳優(山崎賢人くんと二分してるのかな?)の福士蒼汰くんが演じてる訳だから、女の子にとっても「こんな素敵なトリセツ」は無いはず。

    この作品はファンタジーです!

    実は『君の名は。』では、スマホを見るのにカレンダーをチェックしていない!と言う「あり得ない!」設定があるのだけど、アニメだから許される的なところがある。
    この作品は、話の中盤でタネ明かしがあるのだけど、それを受け入れるのか?不自然と感じるのか?で評価が分かれるところ、私はすんなり受け入れることができたけど。

    設定はファンタジックだけど、恋愛のすれ違いのある形、と思えばそれはそれで納得、そしてその恋のすれ違いが本当に切ない!
    後半は本当に泣けてくる、久々に誰も亡くならないのに泣ける映画だった~

    私的『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』・ここからネタバレもあり!

    ① テーマが有るか?共感できるか?

    青春ラヴ・ストーリーです、初恋って切ないんです!
    昔だったら手紙ですれ違ったり、電話ですれ違ったり、今みたいにケータイ電話やスマホ、LINEで連絡が取れなかったから、恋愛にすれ違いは日常的だった。

    今は便利になり過ぎたから、ファンタジーにして「すれ違いを演出」している。

    そう言う意味では、最近流行りの時空を超えた?恋愛もの、本質は男の子の、女の子の、初恋の切なさ・一瞬の輝きにトキメイてどうしても泣いちゃうのです。

    ② 作り手の強い意思を感じるか?

    三木孝浩監督と脚本・吉田智子さんというコンビ、この二人が作り出した青春映画が数多く。
    特に吉田さんの脚本は個人的に大好きで(笑)

    今は新しいラヴ・ストーリーをどう工夫するか?すれ違いの演出をどうするか?
    そう言う意味では、原作から持ってきた新奇性が上手く成功していると思う。

    ③ 俳優の意思や演技力が伝わるか?

    この手の作品は、どれだけ旬な俳優を使って、若い人たちに届けるか、がポイント。
    少し前なら山崎賢人であり、撮影のタイミングで今度は、福士蒼汰の作品が続きそう。

    小松菜奈も『渇き。』以来、順調に映画やTVドラマで活躍している、この作品では可愛らしさが前面に出てるけど。

    ④ 映画らしい楽しさが備わっているか?

    ファンタジーとしての設定が映画ならでは。
    それと方言が無かったから判らなかったけど、舞台は京都、ポイント・ポイントで「あっ、京都だ」と言う雰囲気が味わえる。

    それと、やっぱりこの手の青春ラヴ・ストーリーは、美男美女の人気俳優さんが演じると言うのは、時代が変わっても続いていく。

    ⑤ エンターテイメント性

    今の日本では、恋愛の仕方を楽しく教えてくれる、という点では良い映画。
    福士蒼汰は決して上手い俳優ではないけど、やっぱりカッコイイ男の子がカワイイ女の子と恋に落ちるのは楽しい。

    ⑥ 演出が素晴らしいか?

    三木孝浩監督の演出がどんどん上手くなっている(上から目線で失礼)。
    中盤で、小松菜奈演じるヒロインが、秘密を告白するシーンで、イマジナリーラインを背中越しに越えるところは、絶対『グッド・ウィル・ハンティング』と同じ手法だし。

    ラストでタネ明かし的に、物語をプレイバックするところも非常に判りやすい分、二人に共感しやすくなっている。

    ⑦ 脚本が素晴らしいか?

    吉田智子さんの脚本が今回も良かった、原作の通りかもしれないけど。
    後半は切なくて切なくて、ストンと落ちるものがある。

    人によっては『イニシエーション・ラブ』のようなトリック的な作品にも見えるけど、どちらかと言うとタイムパラドックスもの。
    ファンタジーの部分と純愛的なリアルな部分を、丁寧に描いていることで成功している。

    ⑧何度も見たくなるか?

    脚本・演出が一回見て判るように丁寧に作ってあるけど、もう一度見て確かめてみたいなぁ~
    と同時に、デトックス効果があるので、カップルで何度も見るのによいかも。

    そして最近見た青春ラヴ・ストーリーの中でも良くできてると思う!

    映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』のデータ

    監督■三木孝浩 
    原作■七月隆文「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(宝島社)
    脚本■吉田智子 
    音楽■松谷卓
    出演■福士蒼汰/小松菜奈/山田裕貴/清原果耶/東出昌大/大鷹明良/宮崎美子
    公開日■2016年12月17日・大ヒット上映中!
    公開情報■全国東宝系にてロードショー
    上映時間■111分
    製作国■日本

    公式サイトはこちら

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    【ストーリー】
    京都の美大に通う20歳の学生・南山高寿(福士蒼汰)は、いつものように大学まで向かう
    電車の中で出会った女性・福寿愛美(小松菜奈)を一目見た瞬間、恋に落ちた。
    勇気を振り絞って声をかけ、「また会える?」と約束を取り付けたようとした高寿だったが、
    それを聞いた彼女は、なぜか、突然涙してしまう―。彼女のこの時の涙の理由を知る由もない
    高寿だったが、2人は意気投合し、その後、すぐに交際をスタート。
    初めてのデート、初めて手をつなぎ、初めて名前で呼び合う。そんな初めてのことがあるたびに泣く
    愛美のことを少し不思議に思いながらも、より愛美への愛情を深めていく高寿。
    そんな二人の関係は、誰もがうらやむ程に順調で、すべてがうまくいくものだと信じていた…。
    「わたし、あなたに隠していることがある…」初めてキスをした日、高寿は、愛美から想像も
    できなかった大きな秘密を明かされる…。そして、二人の運命は“すれ違い”始める―――

    (C)2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会


  • 映画『永い言い訳』  妻が死んでも泣けないアラフィフ男の本音と建前

    映画『永い言い訳』 妻が死んでも泣けないアラフィフ男の本音と建前

    映画『永い言い訳』

    永い言い訳

    妻が死んだ。
    これっぽっちも泣けなかった。
    そこから愛しはじめた。

    永い言い訳 — Amazonで見る

    イントロダクション

    妻を亡くした男と、母を亡くした子供たち。
    その不思議な出会いから、
    「あたらしい家族」の物語が動きはじめる。

    『おくりびと』以来7年ぶりに主人公・幸夫を演じるのは、『日本のいちばん長い日』で昭和天皇役が高評価だった本木雅弘。
    今回はタレント小説家を見事に演じてみせた、時にはチャーミングで時には憎々しく。
    主人公・幸夫の亡くなった妻と共に死んだ親友の夫・陽一にはミュージシャンの竹原ピストルを抜擢。
    幸夫の妻には深津絵里、幸夫の愛人役には黒木華、さらに池松壮亮、山田真歩などが共演。

    原作・脚本・監督は『ゆれる』『ディア・ドクター』『夢売るふたり』とオリジナル脚本で勝負し、本作の原作では直木賞候補となった西川美和監督。

    永い言い訳

    アラフィフ男の本音と建前が交差する

    有名作家の妻が死んだ、その時、その夫は若い女性と不倫をしていた。

    西川美和監督の最新作、映画『ゆれる』が衝撃的で、『ディア・ドクター』も本当に好きで、次はどんな作品を見せてくれるのだろうか?と期待していた。
    その西川監督が、それまでは完璧なものが壊れていって、そこに隠されていた人間の本性が露わとなる怖さが詰まっていたが、この作品では西川監督本人がインタビューで「その後を描いている」と言うように、壊れてしまった夫婦関係が妻の「死によって再生」していく、という物語。

    西川監督は、この作品を作るにあたってそのアイディアを、3.11の震災を目の前にした時に、死に別れた家族や友人とどういう別れ方をしたか?それを描きたかったとも言っている。
    そこには人それぞれの別れがあった筈、朝食を食べながら喧嘩してそのまま別れた家族もいるかもしれない、口も聞かずに出かけた子供との別れが有ったかもしれない、人の死はある日突然訪れる。

    無名の作家時代を支えてくれた妻、いつの間にか妻がいるのが当たり前になり、作家として有名になり、お金もあり女性も近づいてくる。
    50も近づき、自分の才能も枯渇してきてるのかもしれない、実は何も思い通りにならない自分がそこにはいる。
    その隙間を埋めるために、若い女性と身体を重ねる主人公、そんなタイミングに妻が事故死する。
    主人公の本音は「自分は何も悪くないのに、妻が死んでしまった」と言う思い。

    周りからは「大変でしたね」と言われ、それを演じなくてはと思う主人公。
    彼は、他人(妻の親友)の子供たちの世話を始める、子供たちとのやり取りが微笑ましく、またその子供たちが可愛い、特に可笑しく苦労もする、幸夫は自然に癒やされていき世間の喧騒から一時離れることができる、が、自分の子持ちのマネージャー(池松壮亮)から
    「子育ては男の免罪符ですから。自分がイヤな、ダメなヤツってことを帳消しにしてくれる逃げ場ですから」
    と言われてしまう。

    主人公の本音は「自分が好き」で誰も愛したことがない。

    永い言い訳

    失った愛を取り戻す

    作家を諦めかけていた時に、自分を励まし、金銭的にも支えてくれた妻。
    でも実際には、自分が有名になったことで少しずつ、彼女に対する思いが変わっていく。

    実際、何が変わったと言う訳ではなく、そこは時間が過ぎていくと言うことなんだと思う。

    妻の死によって失った愛、そして愛人からも捨てられていく。
    子供と接するうちに、妻の死にいつまでもグズグズと泣き崩れる男と接するうちに、自分は誰かを本当に愛せていたのだろうか?と感じ始める。
    そして、愛を取り戻す、寸前でいつも主人公の手からこぼれ落ちていく。

    ラスト、妻の写った写真を見て本当の妻の気持ちを知ることで、主人公は一歩、再生へと歩み始める。

    夫婦ってなに?愛ってなに?そんなことを思い始めた人には考えさせる何かがここにあります、今年一番のオススメ作品。
    渇いた心を少し癒やしてくれる映画、それってやっぱり貴重だと思う。

    永い言い訳

    私的『永い言い訳』ネタバレあり

    ① テーマが有るか?共感できるか?

    不倫に対する見る人のスタンスで、この作品の解釈が変わってくると思う。

    不倫は絶対に駄目!と思っている人にとっては、主人公が情けなく、赦せない存在で、ラストに妻の本心を知って愛に向かって一歩歩み始める姿に映る。

    夫婦の愛がなくなったとしても、世間体や面倒くさいと言うことで別れずに不倫に走る男、それってあるよね、と思ってしまった人にとっては、「こんな俺でも妻は俺のことを愛してくれてたんだ」と思い、自己中心的な自分愛に自信を取り戻す。

    不倫が良いと言う訳ではないが、私は後者だと思ってこの作品を見た。
    “長い”ではなく“永い”と言う死ぬまで自分のことを言い訳し続ける主人公。

    それはある意味、アラフィフになり、自分の実力の限界も判り、人生と夢とのギャップで自分が何者にもなれなかったことに気付き始める、その心の隙間を埋めるのは「自分を愛する」ことかもしれない、そんな風に感じる。

    ② 作り手の強い意思を感じるか?

    西川美和監督が、自ら原作本を書き、それを脚本・演出した作品。
    図らずも、今年、西川監督の師匠・是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』も、アラフィフ男の情けなさを描いていて、主人公が同じ作家でもある、そして子供も出てくる点も共通している。

    それまで問題提起をしてきた西川監督が、一歩踏み出して、その人間の本質に右往左往する人々を描いたところに、そして今のアラフィフの姿を描いていた点がとても良かった。

    ③ 俳優の意思や演技力が伝わるか?

    この作品の番宣で、久々によく本木雅弘がテレビに出ていたが、過去作品より彼本人に近いのでは?感じさせる。
    もちろん彼が実生活で不倫をしてるっぽいとかではなく、どこか飄々としていて、どこかに熱いものを持っていて、そんな感じが主人公とダブる、だからこそなのか、情けなさが板についてるし、そして納得させられる。
    本木雅弘自身が「幸夫の方が(僕より)清いんですよ」と言ってるところが面白い。

    竹原ピストルの妻の死に、いつまでも泣いているトラック野郎と言う役どころが良かった、演技が新鮮で良かった点と、世間で持てはやされたビッグダディと似ているところを感じて、素直な人間性っぽい気もするが、本当は人生(この作品では子育て)から逃げている男の姿が、また良かった。

    深津絵里が登場するシーンは少ないがその美しさが素晴らしい、そしてやはり写真での登場の存在が凄い。
    二人の子供たちも掘り出しもの。
    池松壮亮は、いつもこんな斜に構えた、妙に説得力がある、そしてズルい感じの男が似合ってしまう。

    黒木華が、初めて?濡れ場に挑戦、昭和顔と本人が言っていたが、岩井俊二監督の『リップヴァンウィンクルの花嫁』から少しずつ変わってきて、この作品では色っぽかった!新しい発見であり、彼女はどこまで色んな顔を見せてくれるのか、本当に楽しみな女優。

    永い言い訳

    ④ 映画らしい楽しさが備わっているか?

    今回、16ミリフィルムでの撮影と言うちょっと特殊な画作りをしている。
    ずっとボヤッとしたザラツイた映像が続く。
    きっと、自分を愛してやまない主人公の行き先の判らない人生そのもの、ボヤッとしたものとリンクしている。

    今回、子役を上手く使いつつ、親の本音、子供の本音が垣間見える。
    「子供なんかいなかったら・・・」と、でも一方で本当に子供を愛している、矛盾・・・やっぱりこれは映画で表現するべきことだと思う。

    ⑤ エンターテインメント性

    冒頭の妻の死、以外に何も取り立てて事件はない、それでも、人の本性がそこかしこに垣間見え、そして赦しが差し込まれていく。
    なにも事件はないのに、複雑に話が絡み合い、そして物語は起伏を持ってラストに続く。

    最大のサスペンスは「自分は妻に愛されていたのだろうか?」と自分勝手な男の謎解きが縦軸にしっかり柱がある。

    ⑥ 演出が素晴らしいか?

    是枝監督に師事して、ということで非常に演出が似ている。
    そして、西川監督の好きな作品の影響も大きいと思う。

    説明的なセリフやシーン(キャラクターの動作)をできるだけ排した画作りをしてくる。
    タクシーの鏡で髪型を直すところは象徴的。

    今回は、是枝監督並に子供も演出できることが判った(笑)

    ⑦ 脚本が素晴らしいか?

    原作・脚本と監督が一緒、完全なオリジナルと言うこと。

    縦に一本「愛される自分」があって、妻を失った家族や愛人、出版社に振り回されながら、本音を撒き散らす主人公の姿が滑稽でもあり、真実でもある。
    女性がこれだけ男の本音の部分を描けるのか?そんなに冷静に男を見てるのか?とちょっと西川監督の頭の中を覗いてみたくなる。

    ⑧何度も見たくなるか?

    2016年も残り数ヶ月、日本のアラフィフ男性は疲れ果てている、そんな作品が数多く出てきたが、一番、男の本音が表現されていて面白かった。
    そこに家族や妻への愛、と言うものを考えさせるものがあった。
    映画としての完成度やストーリーの面白さ、今の自分を見つめ直す機会に見たい作品。

    映画『永い言い訳』のデータ

    永い言い訳

    原作・脚本・監督■西川美和
    撮影■山崎裕
    出演■本木雅弘/竹原ピストル/藤田健心/白鳥玉季/堀内敬子/池松壮亮/黒木華/山田真歩/深津絵里
    公開日■2016年10月14日

    永い言い訳 Blu-ray — Amazonで見る

    公式サイトはこちら

    【ストーリー】
    人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(きぬがささちお)は、妻が旅先で不慮の事故に遭い、親友とともに亡くなったと知らせを受ける。
    その時不倫相手と密会していた幸夫は、世間に対して悲劇の主人公を装うことしかできない。

    そんなある日、妻の親友の遺族―トラック運転手の夫・陽一とその子供たちに出会った幸夫は、ふとした思いつきから幼い彼らの世話を買って出る。
    保育園に通う灯(あかり)と、妹の世話のため中学受験を諦めようとしていた兄の真平。
    子どもを持たない幸夫は、誰かのために生きる幸せを初めて知り、虚しかった毎日が輝き出すのだが・・・
    (C) 2016 「永い言い訳」製作委員会 PG-12

  • 映画『何者』  ウザいな、二階堂ふみ!就職戦線はゾンビだらけのホラー映画?

    映画『何者』 ウザいな、二階堂ふみ!就職戦線はゾンビだらけのホラー映画?

    映画『何者』

    何者

    恋愛、友情、就活、裏切り。
    これが僕たちのリアル。

    イントロダクション

    原作は映画『桐島、部活やめるってよ』で大ヒットを飛ばし、平成生まれの作家として初めて直木賞を受賞した朝井リョウのベストセラー「何者」(新潮社)。
    就活活動を通して自分が「何者か?」を模索する5人の大学生たちの青春物語。

    お互いを励まし合いながらも、SNSで表と裏の顔を使い分ける今時の彼ら、“痛いほど圧倒的な現代のリアル”が詰まった問題作を映画化。
    監督・脚本は、演劇界の若き鬼才・三浦大輔。
    演劇ユニット「ポツドール」主宰者として数々の話題作を上演している、映画では『愛の渦』が近年話題になっている。

    主人公・拓人を演じるのは人気絶頂の実力派の若手・佐藤健。
    競演にも、今、旬の若手俳優達、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之といった実力派が並ぶ。

    これから就活を始める人、就職で苦労した人、必見の就活青春エンターテイメント!

    何者

    今の就職戦線とSNSは切り離せない

    2chとかを普通に使っている自分にとっては「なりすまし」や「ネカマ」とか「裏アカウント」とかは普通なので、結構“あるある”感の方が大きくって、2chでの潰し合いを知ってるから、Twitterでの裏の顔も楽しく見れた。

    それにしても、カッコイイよなぁ~映画自体が、作りが洗練されている。。
    これから就職を控える大学生・若者は絶対見ておいた方が面白いし、就職活動を終えたばかりの新人サラリーマンとかは、やっぱり「あるある」だと思う。
    実際、オジサン(私)の周りを埋め尽くした若者からは上映後「ああいう奴、いるよなぁ~」「ウザいな、二階堂ふみ」とか声が聞こえてきた。

    そして、中田ヤスタカ×米津玄師の音楽が最高な訳だし。

    そしてここで語られるのが、SNSの怖さ、就職によって自分が「何者」かを試される、そしてふるいにかけられていく残酷な体験をする。
    本音と建前、お前らゾンビだろ~と言うくらいSNSにはびこっている、こんなヤツらいるよなぁ~意識高い系からそれを裏で悪口を書きまくるヤツと、どんどん怖くなってくる。

    若者にとっては「こんなヤツ周りにいたよ」とか、就職ってこんなもんなんだ~疑似体験できる楽しさ?怖さがある。
    通り過ぎてきた、オジサンを含めた上の世代は、自分の子供たちがこういうところに突っ込んで行く、という大変さが本当に判る、本音を言わない建前のSNS社会でどうやって上手く生きていくか。
    まっ、facebookも、気持ち悪いくらいポジティブなことしか書かないのってどうなの?あっ!(笑)

    就職活動で苦労した人間には”共感ハンパねぇ~”楽しいエンターテイメント。

    私的『何者』ネタバレあり

    ① テーマが有るか?共感できるか?

    当たり前だけど、大人になる人のほとんどの人が就職活動をする。
    そこで否応なく自分が「何者」かを相手に伝える必要がある、それは本音が伝わる場合もあれば、建前で乗り切れるヤツもいる。
    就職って意外と運だったりするし、甘い青春の終わりの始まりだったりと。

    ② 作り手の強い意思を感じるか?

    原作者の朝井リョウがその世代そのものと言うのもあるんだろうけど、『桐島、部活やめるってよ』同様になんかイタイところがそこかしこに出てくる。
    「学生時代にはこんなことに打ち込んでいました!」「友達が沢山いて人脈作りをしてきました!」「慈善活動でこんなに充実してました!」と言ったアピール。

    もう就活から社会の仕組みの競争という歯車に組み込まれていく姿が見事に表現されている。

    ③ 俳優の意思や演技力が伝わるか?

    佐藤健演じる主人公の冷静に分析しながら裏の顔を・・・と言うのは怖い反面、なんか一番あるなぁ~と。
    それにしても、みんながハマっていて。
    一番好きなことやって、就職に無関心なヤツ=菅田将暉演じるバンドマンが一番最初に内定もらったりと。

    女性二人が対照的で面白い、二階堂ふみは真面目て意識高い系だけど、チラッと胸元を見せながらも、彼氏を紹介してしまう嫌な女・・・

    ④ 映画らしい楽しさが備わっているか?

    顔が出てこない演劇に熱中している主人公の親友が出てくる、あらゆるところで舞台のシーンが出て来る。
    後半の物語の進行と、舞台が混じり合うところが面白いし「まさか!?」と思わせるところがある。

    それと、就職を「横並び」で表現するところが度々出てきて、そうそう学生時代まではなんでも横並びになったなぁ~と思ったりして。

    何者

    ⑤ エンターテインメント性

    ネタバレ!

    で、書くと、この映画は実は映画の予告が「騙し絵」になっている。
    ほぼ、重要なシーンが予告に流れてるのに、予告を見ると絶対見た人は誤解する。

    でも、それとは違う方向性に走っていく面白さは有った、それと上手に伏線が張っていて最後一気にまきとっているところが鮮やか。

    ⑥ 演出が素晴らしいか?

    ラストのどんでん返しに向かって、結構、演出の罠がある、まぁ~フィクションだから許して、と言う感じで。
    なんとなく、就職活動経験者(30年前だけど)には「あれ?」と感じさせる。
    そのくらい上手く仕込んでいるので、これは見て騙されるか、何となく気付くか、楽しめる。

    ⑦ 脚本が素晴らしいか?

    原作は主人公の一人称らしいけど、それが今回はそれぞれの視点で語られていくから、その点で人の表と裏がジワーっと出てきて面白い。
    それと、舞台との融合がちょっと面白い雰囲気がある。

    でも・・・ネタバレ・その2

    どんでん返しが、てっきり「この物語は全部舞台で、舞台に熱中しているイタイやつ」と主人公・拓人が同一人物、くらいの意外性を期待していた~
    人生って就職だけじゃないだろ~くらいの原作にないどんでん返しを入れても良かったのでは?と。

    何者

    ⑧何度も見たくなるか?

    テンポが良くて、音楽と俳優の競演と言う感じでセンスが抜群、ノリの良さで見れる作品。
    一方で、朝井リョウ原作と言うこともあり、今の若者、現代と言うものを意外な切り口で見せてくれる。

    私の世代は、金子修介監督、織田裕二主演の『就職戦線異状なし』(1991年)が懐かしい。

    映画『何者』のデータ

    何者

    原作■朝井リョウ(『何者』新潮文庫刊)
    監督・脚本■三浦大輔
    音楽■中田ヤスタカ
    主題歌■「NANIMONO(feat.米津玄師)」中田ヤスタカ(ワーナーミュージック・ジャパン)
    企画・プロデュース■川村元気
    出演■佐藤健/有村架純/二階堂ふみ/菅田将暉/岡田将生/山田孝之
    公開日■2016年10月15日
    公開情報■全国東宝系にてロードショー

    映画『何者』

    【ストーリー】
    就職活動の情報交換のために集まった、5人の22歳。

    企業に入れば特別な「何者」かになれるのか、そして自分は「何者」になりたいのか。
    それぞれが疑問を抱えながら、就活に立ち向かっていた。

    かつて演劇サークルで脚本を書いていた、人を分析するのが得意な拓人(佐藤健)。
    天真爛漫で何も考えていないようで、着実に内定に近づいていく光太郎(菅田将暉)。
    光太郎の元カノで、拓人が思いを寄せ続ける、実直な性格の瑞月(有村架純)。
    「意識高い系」でありながら、結果が出ず不安を募らせていく理香(二階堂ふみ)。
    社会の決めたルールには乗らないと宣言しながらも、焦りを隠せない隆良(岡田将生)。
    そんな5人を先輩として見守る、大学院生のサワ先輩(山田孝之)。

    力を合わせて就活を進める中、5人はそれぞれの思いや悩みをツイートするが、それはあくまで表の顔。内定が決まらない中、お互いの就活へのスタンスや取り組み方の違いに嫌悪感を抱き、人間関係に歪みが生じ始める。やがて「内定者」が現れたとき、そこで見えてきたのは、これまで隠されてきた裏の顔だった――。
    (C)2016映画「何者」製作委員会 
    (C)2012 朝井リョウ/新潮社

  • 映画『ハドソン川の奇跡』  初めて起こったことは、みな前例はない

    映画『ハドソン川の奇跡』 初めて起こったことは、みな前例はない

    映画『ハドソン川の奇跡』 SULLY

    ハドソン川の奇跡

    155人の命を救い、
    容疑者になった男。

    実際にあった本当の奇跡の話を、イーストウッド監督の演出力で魅せる

    2009年当時、日本でもニュースが話題になったが、凄い奇跡が有るものだ!と感心した。
    日本人にとっては、ニューヨークという都会のど真ん中の川への不時着がどういうものか?、隅田川か淀川に飛行機が不時着?というくらいのイメージ(怖)

    それを徹底的にリアルにイーストウッド監督は見せてくれる、ドキュメンタリーとは違う、そこがイーストウッド監督の凄いところ!

    で、この作品ではその先が描かれていて、奇跡を起こした機長に過失が有ったのでは?と言うことが調査が始まる。
    それは内部的なもので有って、実際どこまでアメリカのマスコミで報じられたかは日本にいては知らないけど。

    最近製作されたロバート・ゼメキス監督(こちらも『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の名匠)の『フライト』(’12)に酷似しているなぁ~と思ったけど、『フライト』は“堕ちた英雄”の話でマスコミでも叩かる。
    一方、こちらは事故調査委員会も非常に論理的に行われ、逆にだからこそ主人公・サリーが精神的に追い詰められていく。
    それでも、彼のとった態度は毅然としたものだった、それは何か?

    民間航空史上、予想し得なかった絶望的な状況に突然放り込まれた時、”自分の仕事に誇りを持ち”「自分のやるべきことをやっただけ」と言える、そこにあるのは主人公の責任感=他者に対する思いやりであり、その心情を描くことを見事に実現した作品である。

    ハドソン川の奇跡

    私的『ハドソン川の奇跡』

    ① テーマが有るか?共感できるか?

    飛行機を飛ばすことは主人公・サリーにとっては、いつもやっている仕事であり、人命を最も尊ぶ気持ちを持ち続けることがその仕事を遂行させることができる、自分の強い意志であることを持ち続けている。

    だから一貫して自分の仕事に誇りを持ち、揺るぎない自信を持っている、一方で飛行機を不時着させるという一生に一度経験できるか判らない緊急事態に対する恐怖感、この主人公の心の葛藤が伝わってくる。

    常に人を思いやる気持ちが伝わってくることで、それを受け取った助かった人々と映画を観た観客が一体化して共感し、感動に涙できる作品だった。

    ② 作り手の強い意思を感じるか?

    今回のストーリーの基になったのは、チェズレイ・サレンバーガー機長の手記「Highest Duty: My Search for What Really Matters/機長、究極の決断」で、本人は事故後5日後に行われたオバマ大統領就任式にも招待され、様々な表彰を受け、ニューヨーク州知事のデビッド・パターソンは、この件を「Miracle on the Hudson/ハドソン川の奇跡」と呼び、機長を賞賛している。

    その中で、機長自身の知られざる苦悩が有ったことをベースに、映画もそこにスポット当てて描いていることで、極限の状態で人は何をするか?日常からの継続が人の危機を救うと言うことが良く判る。

    ③ 俳優の意思や演技力が伝わるか?

    主演は名優トム・ハンクス、作品中のほとんどが主人公の心情を描いており、映像としても描かれている部分と、トム・ハンクスの名演によって描かれてる部分が大きい。
    彼も、その奇跡の物語を当然のように知っており、主演が決まった時には、チェズレイ・サレンバーガー機長やアテンダント等の話を聞いて役作りをしたと言う。

     

    ④ 映画らしい楽しさが備わっているか?

    飛行機の不時着シーンが何度か映し出される、その迫力と緊迫感は大画面で見る醍醐味が有る。
    なんと言っても、巨大な旅客機がマンハッタンのど真ん中の川に着水するのである。

    そして緊迫感を出すための演出が散りばめられている。

    ⑤ エンターテインメント性

    アメリカでも何度も再現ドラマとして映像化されていると思う(実際は知らないけど、日本では「ザ!世界仰天ニュース」で再現ドラマ化している)。
    主人公のサリーの心情を映像でどう表現するか?冒頭から見事に表現している。

    公聴会での緊張感も“大逆転”ありと楽しめる。

    ⑥ 演出が素晴らしいか?

    90分ちょっとと言う非常に短い作品になっている、近年のイーストウッド監督作品でも短い方だと思うが、それは数十分間の奇跡に対して、主人公・サリーの心の動きに注力して、その心情に合わせて映像化している。

    実際の出来事と物語は時間通りには進まない、時間軸が入れ替わることで主人公の心情の動きが明確になった。

    ハドソン川の奇跡

    ⑦ 脚本が素晴らしいか?

    あえて、副機長やその他のクルーの心情、そしてパニックになる乗客を描くことを最低限している。
    更に言うと、サリーの妻とのやり取りは電話で行われるが、こちらも最小限の描き方をしている。
    それでも重要な点をしっかりと取り込んでいる脚本も素晴らしい、サリーと妻との最後のやり取り、妻がサリーに話す言葉が突き刺さる。

    実際に起きた事実が有ることも理由だと思うけど、あえてサリー以外の心情はできるだけ排除しているように思える。

    ⑧何度も見たくなるか?

    主人公の勇気に、自分がどうあるべきか?日常の仕事に対してもどうあるべきか?を考えさせてくれる。
    そんな時に、またこの作品を見ると、自分の仕事に自信を持ったり、迷いを少しでも吹っ切れる気がする。

    そしてこちらが、チェズレイ・サレンバーガー機長夫妻本人。

    ハドソン川の奇跡

    映画『ハドソン川の奇跡』のデータ

    監督■クリント・イーストウッド
    原作■チェズレイ・“サリー”・サレンバーガー/ジェフリー・ザスロウ
    脚本■トッド・コマーニキ
    撮影■トム・スターン 
    衣装デザイン■デボラ・ホッパー
    音楽■クリスチャン・ジェイコブ/ザ・ティアニー・サットン・バンド
    出演■トム・ハンクス/アーロン・エッカート/ローラ・リニー
    上映時間■96分
    製作国■アメリカ
    配給■ワーナー・ブラザース映画
    公開情報■丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー他 全国公開中

    ハドソン川の奇跡 ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) Blu-ray — Amazonで見る

    公式サイトはこちら

    【作品紹介】
    2009年1月15日、極寒のニューヨーク上空850mで155名を乗せた航空機を突如襲った全エンジン停止事故。
    160万人が住む大都会の真上で70トンの機体は高速で墜落していく。
    近くの空港に着陸するよう管制室から指示がある中、機長サリーはそれを不可と判断し、ハドソン川への不時着を決断。
    航空史上誰も予想しえない絶望的な状況の中、見事に成功させ“全員生存”の偉業を成し遂げる。
    その偉業は「ハドソン川の奇跡」と呼ばれ、サリーは一躍英雄として称賛されるも、機長の“究極の決断”に思わぬ疑惑が掛けられ、一夜にして殺人未遂の罪に問われることに…。

  • 映画『SCOOP!』  福山雅治がスケベ、二階堂ふみがセクシーにつきる?

    映画『SCOOP!』 福山雅治がスケベ、二階堂ふみがセクシーにつきる?

    映画『SCOOP!』

    SCOOP!

    落ちぶれパパラッチ&ド新人記者
    狙え、超特大スクープ!

    スケベオヤジの妄想をふくらませるイイ女たちのエロ競演

    とにかく福山雅治演じる主人公のカメラマンがエロい。
    福山雅治が完璧な二枚目(見た目もカッコよいし歌もうまいし、ライターとしても良い)の上に、ファンは知ってるように、ちゃんとスケベオヤジでもある、このあたりが男女に人気の所以。

    冒頭のセックスシーンから、期待感が膨らむ。
    二階堂ふみ演じる新人ライターと元スターカメラマン(福山雅治)との年齢差・男女のバディーもの。
    大根仁監督が、徹底的にエンターテインメントに徹しながらも、40過ぎの男の悲哀も描いていて、エロ×笑いとのバランスが絶妙!!

    吉田羊と二階堂ふみのセクシーぶりと、滝藤賢一の熱演、リリー・フランキーの怪演も見もの。

    SCOOP!

    イントロダクション

    『モテキ』『バクマン。』の大根仁監督が、’85年に原田眞人監督・脚本作品『盗写1/250秒』をリメイク!主演には結婚後、映画初主演の福山雅治。

    日本一フライデー(笑)されない男・福山雅治がオッサン・パパラッチと言うゲス男役を熱演!
    バディー役には新人記者役の二階堂ふみ、そして吉田羊、滝藤賢一、リリー・フランキーら超豪華キャストが共演。
    主題歌では、”TOKYO NO.1 SOUL SET feat.福山雅治on guitar”。

    『バクマン。』に続いて今度は、写真週刊誌の編集部を舞台に描く、エロくて笑えてハラハラ・ドキドキ、そしてちょっと切ない・圧倒的なエンターテイメント作品!

    これ以下はネタバレになるかもしれないので、映画を観てからお読みください~

    SCOOP!

    私的『SCOOP!』

    ① テーマが有るか?共感できるか?

    この作品のテーマは、エロいオヤジはモテる!って、大根仁監督が『モテキ』から描き続けてる中年男の妄想だよね~そこが面白い。

    50近くになっても“夢”って一体何だったのか?カメラしかないから、今もカメラマンをやっているだけの男、そんな男がモテるのは妄想以外ない。

    逆に、主人公=男を踏み台にした女たちがエロくて素敵。
    結局、主人公が体を張って撮ったスクープで、記者として編者者としてのし上がっていく、吉田羊と二階堂ふみが素敵過ぎる!

    ② 作り手の強い意思を感じるか?

    大根仁監督は一貫してエンターテインメント性の高い作品を作り続け、そこには常に「エロい」ことが前提になっていて、カッコよい=エロい男と素敵な=セクシー女が出てくるのが、監督の趣味というか、意志を感じさせる。

    ③ 俳優の意思や演技力が伝わるか?

    福山雅治が、映画ならここまでやってくれる!と言うところまでやってるのが楽しい。
    『ガリレオ』シリーズとは真逆のやり過ぎ感もありつつ、得意なカメラを持って走り回る姿が何気にカッコよい、まぁ~本当は人生の行き詰まり感たっぷりの役どころだけど。

    ヒロイン役の二階堂ふみは、前半のオドオドしたところから成長していく過程を見事に演じていて、後半のセックス・シーンの本気度(肢体も見どころ!)とそれが有るから、あの写真が撮れると言う納得の体当たり演技。
    一方で、吉田羊が男勝りの編集者役ながら、服装と表情一つでガラッと変わるセクシーさは良かった。
    女はのし上がるためなら職場の男も利用する?その逞しさを感じるし、それはしっかりと二階堂ふみにも引き継がれていく。

    滝藤賢一は「半沢直樹」以来、活躍が続いているが、ここでもライバルであり良き理解者でもあり、そして一番笑わせてくれる、と言う難しい役どころを演じている。
    で、なんと言ってもリリー・フランキー。
    『そして父になる』での福山雅治とのコンビとなるが、本当に仲良く演じてる感じ。
    しかもあの怪演ぶりは、『モテキ』の上司や『凶悪』の顔役とも共通するところがある。

    ④ 映画らしい楽しさが備わっているか?

    このエロさの思いっきりさ、もう写真週刊誌が以前ほど売れなくなったり、逆に報道する側と撮られる側の裏事情等々あるとは思うけど、そのあたりのタブー無視で行けるのは映画ならでは。

    今回は政治家のスキャンダルや社会事件までありで、カーチェイスまでやってしまってる。
    都内のど真ん中で、どうやって撮影したのか?そのあたりもちょっと興味が湧く。

    SCOOP!

    ⑤ エンターテインメント性

    業界あるあるや芸能界の裏とかを笑いも含めて、笑いあり、アクションあり、セクシー・シーンあり、そして切なさも有るといった、考えさせられる映画ではないが、楽しませてくれる作品。

    結局は、男と女しかいないってことなんだろうけど、イイ男・イイ女の映画である。

    ⑥ 演出が素晴らしいか?

    なんと言ってもテンポが良い、キッチリ映像で表現するところは映像で、という感じで無駄なセリフに頼らない、少ないシーンで話をまとめる、このあたりは大根仁監督の過去の作品に共通する。

    見ていて判りやすく、無駄なシーンがない、という感じ。
    まぁ~エンドクロールに関しては、毎回色々とやる監督さんでは有るけど、賛否が出るね。

    ⑦ 脚本が素晴らしいか?

    リメイクということも有って上手くまとまった感じの脚本になっているし、福山雅治と吉田羊の関係(立ち呑み屋のシーンとか)が上手く描かれていた。

    後半の山場は一気にテンポが落ちてしまうのは、ちょっと惜しいかも。
    脚本なのか、演出なのか、微妙なところだけど。

    ⑧何度も見たくなるか?

    この手のエンターテインメントに徹した作品は、気軽に見れるので何度でも、という気もするし、あえて能動的に何度も見たいか?と言うと微妙な感じだけど。

    二階堂ふみや色んな女優さんのサービス・ショットが多数あるのでそこは確認してみたい(笑)
    どちらしにても今年(2016年)トップクラスのエンターテインメント作品で間違い無し!

    映画『SCOOP!』のデータ

    SCOOP!

    監督・脚本■大根 仁
    原作映画■「盗写 1/250秒」(監督・脚本:原田眞人)
    撮影■小林元
    音楽■川辺ヒロシ
    主題歌■「無情の海に」TOKYO No.1 SOUL SET feat.福山雅治 on guitar (ユニバーサルJ)
    出演■福山雅治/二階堂ふみ/吉田羊/滝藤賢一/リリー・フランキー
    公開日■2016年10月1日
    公開情報■全国東宝系にてロードショー

    映画『SCOOP!』 [福山雅治]

    【作品紹介】
    落ちぶれパパラッチ&ド新人記者
    狙え、超特大スクープ!
    1枚の写真【スキャンダル】に日本社会が騒然!?
    ますます過熱する写真週刊誌のスクープ合戦に挑むのは、落ちぶれパパラッチ&ド新人記者のまったく噛み合わない凸凹コンビ!?
    かつて数々の伝説的スクープをモノにしてきた凄腕カメラマン・都城静(福山雅治)。
    しかし、その輝かしい業績も、いま現役の雑誌編集者たちにはほとんど知られてない。
    過去のある出来事をきっかけに報道写真への情熱を失ってしまった静は、芸能スキャンダル専門のパパラッチに転身。
    それから何年もの間、自堕落な日々を過ごしてきたのだ。
    そんな彼に、再び転機が訪れる。
    ひょんなことから写真週刊誌「SCOOP!」に配属されたばかりのド新人記者・行川野火(二階堂ふみ)とコンビを組まされる羽目になってしまったのである。
    案の定まったく噛み合わずケンカばかりの静と野火。
    この凸凹コンビが、まさかまさかの大活躍で独占スクープを連発!そしてついに、日本中が注目する重大事件が発生する…。
    (C)2016映画「SCOOP!」製作委員会

  • 映画『怒り』  レイプとゲイのラブ・シーンだけではない!

    映画『怒り』 レイプとゲイのラブ・シーンだけではない!

    映画『怒り』  怒りのない怒りとは

    怒り

    あなたは殺人犯ですか?

    映画『怒り』 Blu-ray豪華版 [渡辺謙]

    とにかく俳優たちの演技がイイ!

    大人のための大人の映画。
    今年は『シン・ゴジラ』が大人のための童心に帰る映画、『君の名は。』は全ての世代に送る青春映画なら、この作品は大人がじっくりと見れる作品。

    ただとっても暗い作品だから、これだけの俳優陣じゃないと単なる地味な作品になっちゃったかも。
    個人的には、女優陣全員が素晴らしかった!と思う。

    この作品は、完全な謎解き映画では無いんですが、一応、サスペンスなのでネタバレになるかもしれないので、後半は映画を観てから読んで下さいm(__)m

    怒り

    イントロダクション

    『悪人』(’10)の李相日監督×吉田修一原作のコンピが再びタッグを組んだ作品。
    『悪人』で日本アカデミー賞をはじめ、国内の映画賞を総ナメにしてから6年、音楽に坂本龍一を迎え、原作者・吉田修一が「物語の登場人物には、映画『オーシャンズ11』のようなオールスターキャストを配してほしい。」と言う希望にそって、日本を代表する7人の豪華俳優陣が集結!

    この配役も絶妙、もちろんその迫真の演技が素晴らしい。
    「愛した人は、殺人犯なのか?」
    “人を信じる”と言う人間の本質を問いかける感動作、予備知識はこのへんにして是非見て欲しい作品。

    これ以下はネタバレになるかもしれないので、映画を観てからお読みください~

    怒り

    私的『怒り』

    ① テーマが有るか?共感できるか?

    タイトルの「怒り」は何だったのか?を考える作品。
    犯人の怒りは見事なまでに意味がなく、殺人の動機すら存在しない。
    テーマとしては「人を信じる」ことを問われる、人を信じると裏切られ、人を疑うと亀裂が生まれ、人間は純粋に人を信じることはできないのだろうか?と。
    今の世の中は複雑になり過ぎて、人を簡単に信じることが出来ない世の中なのかもしれない、それに対する大いなる「怒り」がある。

    社会が複雑になり「根拠のない怒り」が人間不信を呼び、改めて人を信じることを思い出すことに、ラストの大きな感動が有った。

    ② 作り手の強い意思を感じるか?

    『悪人』では一つの犯罪を、それぞれの立場の視点から見た場合に、その真実とはどこにあるのか?と言う物語だった。
    今の世の中に 「人を簡単に信じてしまうこと」の怖さ、「人を信じることができなかったこと」の不幸を問いかける、李相日監督と吉田修一原作に込められた強い時代性を感じる。

    ③ 俳優の意思や演技力が伝わるか?

    とにかく全ての俳優たちが素晴らしかった。
    特に女優陣、ヒロインの宮崎あおい、広瀬すずが迫真の演技、ここまでするか?!と言う体当たりの演技。
    また出演時間は短いが、高畑充希、池脇千鶴の存在感も良かった。
    それにしても広瀬すず、彼女の天才性は監督によって磨かれる、もちろん他の主演作品での可愛らしい(だけの)役柄も良いけど、『海街Diary』とは別に意味で素晴らしい演技をしていた。
    今回は体当たりで、米兵にレイプされるシーンを演じている、もちろん広瀬すずの表情だけで表現している訳だが、それでも生々しいのは、彼女の処女性の裏返しを上手く利用している。
    そして宮崎あおい、彼女はあるゾーンに入ると物凄い演技をする、今回はで出しからラスト近くの一点を見つめるシーンまで狂気すら感じる演技だった。
    冒頭の風俗嬢の姿で、ノーメイク(用のメイク)でボーッとしているところから、この作品に対する入れ込みようが感じられる。

    最後に妻夫木聡、『悪人』で李相日監督にその才能を開花させられた俳優だが、この作品でも見事なツボを押さえていてゲイ役を見事に演じてみせていた(相手役の綾野剛のカメレオン俳優ぶりも良いけど)。
    妻夫木聡もエリートサラリーマンでゲイらしい嫌らしさを感じさせてくれたし、受けのゲイぶりの綾野剛も良かった。

    怒り

    ④ 映画らしい楽しさが備わっているか?

    百聞は一見にしかず、と言うのは映画には重要な点だと思う。
    最後(近く)まで犯人の顔を映さずに(3人の顔を合成したものだと思うけど)公開写真だけが見せられる。
    映像から想像をふくらませる。

    そして3ヶ所の場所ごとの映像が美しく、俳優たちの演技を映えさせている。

    ⑤ エンターテインメント性

    大人のためのエンターテインメントであり、決して明るい話ではない。
    理不尽な怒りによる慟哭が描かれる。

    一方でそれを見事に演じた俳優たちと背景となる舞台の映像の美しさのコントラストが見事で、これは映画ならではエンターテインメント性と言える。
    久々に好きな絵(映像)の作品でもあった。

    にしても、前半の新宿?のゲイの世界を丹念に見せるところも生々しい、特に白い肌の綾野剛(これも隠れて逃げ回る犯人を予感される)に対して、黒光りしている妻夫木聡の肌がコントラストを醸し出してイヤラシイ、それも楽しいと取るか?個人的には苦手なんだけど。

    ⑥ 演出が素晴らしいか?

    142分と言う長尺な作品でありながら、その長さを感じさせない。
    編集を最初から頭に入れた演出がなされている点、そしてあまりに役にハマった役者を選んでいるが、実は少しずつ今までの演技と外している。

    渡辺謙の抑えた演技、少女的な宮崎あおいにはスッピンでの演技、可愛らしさだけではなく悲しみ演じた広瀬すず、いつもの泣きの演技だけではなく見事なゲイを演じきった妻夫木聡。

    そして3ヶ所を同時進行で話を進める上で、安易に性風俗に走る女性、ゲイの実態描写、米軍基地と米兵による暴行問題などをバランス良く配置している。

    ⑦ 脚本が素晴らしいか?

    3つの同時進行の話を、場面(場所)が変わる時に似たようなアイテムを挿入して違和感なく繋いで見せる、と言った手法も入れている。
    3つの場所で進行する物語の繋ぎが上手く、しかもテンポが良くなっている。
    それがこの尺でも、ダレることなく緊迫感もありつつ見続けることができる。

    ⑧何度も見たくなるか?

    重く辛いテーマの作品、流石に繰り返し見たいか?と言われると。
    でも犯人の「怒り」は何だったのか?それは時代で変わるものかも?また観て確認してみたい。
    そして、なんと言っても演技を見るだけでも価値がある、それは何度でも。

    原作者としての吉田修一は、犯人は3人のうちの誰か?と言うサスペンスを求めていた。
    しかし映画の観客としては、ホクロの話から素性まで、実は3人が同一人物で映画のトリックで別の時間を同時進行として見せられているのかな?とも思わせる。
    いや、逆に一連の怒りと考えると、犯人の怒りの意味もひも解けるのかも?

    映画『怒り』のデータ

    怒り

    監督・脚本■李 相日
    原作■吉田修一(「怒り」中央公論新社刊)
    企画・プロデュース■川村元気
    撮影■笠松則通
    音楽■坂本龍一
    出演■渡辺謙/森山未來/松山ケンイチ/綾野剛/広瀬すず/宮崎あおい/妻夫木聡
    公開情報■2016年9月17日 全国東宝系にてロードショー

    映画『怒り』 [ 渡辺謙 ]

    【作品紹介】
    ある夏の暑い日に八王子で夫婦殺人事件が起こった。
    窓は閉め切られ、蒸し風呂状態の現場には、『怒』の血文字が残されていた。

    犯人は顔を整形し、全国に逃亡を続ける。その行方はいまだ知れず。
    事件から一年後。千葉と東京と沖縄に、素性の知れない3人の男が現れた。

    いったい誰が犯人なのか?
    あなたを信じたい。
    そう願う私に信じたくない結末が突きつけられる―――。
    (C)2016映画「怒り」製作委員会

  • 映画『世界から猫が消えたなら』 猫が死ぬ話ではありません、僕が死にます

    映画『世界から猫が消えたなら』 猫が死ぬ話ではありません、僕が死にます

    映画『世界から猫が消えたなら』

    世界から猫が消えたなら

    世界は愛であふれてた。
    ラブストーリーが終わる。

    世界から猫が消えたなら — Amazonで見る

    暗い話が嫌いな人は見ないほうが良いです、生きる理由が知りたければ是非!

    猫が死んで悲しいお話とか、佐藤健くんと宮崎あおいちゃんのラヴ・ストーリーではありません。
    原作が100万部を突破したベストセラー「せか猫」ですが内容を知らずに見ました。

    でも良い意味で裏切られて好きな作品でした、でもきっとこんな暗い話、嫌いな人は見ないほうが良いとも思います、なぜなら主人公=僕が死ぬ話だからです。

    予告や宣伝は「泣けるラヴ・ストーリー」です、それを期待すると少し外すかも。
    でも違う意味で泣けた映画でした、今年一番泣いたかも(まだ半年も経っていないけど)。

    今年、1,2くらいに好きな作品でした、見終わった後に「自分が生きていることに意味がある」と思えるから。

    世界から猫が消えたなら

    詳細情報はこちら・・・
    東宝で映画『悪人』、『告白』をプロデュースした若手天才プロデューサー・川村元気さんの原作小説を映画化。
    2013年に本屋大賞にノミネートされ、その後、文庫化・コミックス化、そして中国・韓国・台湾で出版もされて累計100万部を突破。

    「僕」と「悪魔」の二役に挑むのは、佐藤健。そのかつての恋人に宮崎あおい。
    映画マニアの親友を濱田岳、疎遠になった父を奥田瑛二、死別した母を原田美枝子。
    監督は数々のCMで広告賞を受賞し、映画デビュー作『ジャッジ!』が予想外(笑)に面白かった永井聡監督、今回はテイストが真逆でビックリ!
    撮影に中島哲也監督作品で手腕をふるう阿藤正一。
    脚本はベテランの岡田惠和に、音楽は小林武史と鉄板です、東宝最強トライアングル?(笑)

    私的『世界から猫が消えたなら』 ここからはぶっちゃけ・ネタバレ!

    ① テーマが有るか?共感できるか?

    二人の僕が出てくる、それはファウストに代表される悪魔との契約で希望を叶える、と言うものをモチーフにしている、大切なモノを渡せば1日の生命を与えると。
    物語はその流れで進むが、実は主人公の数日の妄想なのでは?と見終わった後に感じた。
    自分が死を覚悟するまでの心の葛藤が、「僕」と「悪魔」と言う形で表現されている。
    そして、自分の所有する大切なモノを失うことで、実は自分がこの世の中でどれだけ必要とされていたかを知る。

    自分の大切なモノを振り返ることで、自分の人生がどれたけ意味のあるものだったかを納得することで、自分の死を受け入れる。

    自分が死んでも、友人や元恋人、そして親も自分のことを忘れることはないと・・・

    世界から猫が消えたなら

    ② 作り手の強い意思を感じるか?

    原作者であり、東宝の映画プロデューサーでもある川村元気さんが書いた小説、話が綺麗過ぎる、映像を意識した描写とかも、そしてなんと言ってもタイトル自体が「ウケ狙い」を感じる。

    でも川村元気さんが他の著作でも書いていたが「躁鬱状態の鬱の時に良い物語を思いつく」と言うように明らかに鬱状態のお話。
    死ぬって遠い話だけど、一旦、目の前に死が迫った時に人は何を思うのか?そんな暗い話を真剣に物語にしている、そして追及している点が面白い。

    ③ 俳優の意思や演技力が伝わるか?

    佐藤健くんが淡々と演じてる気がして、本当は死を宣告された時に逃げるために、もう一人の自分を妄想して死から現実逃避している。

    この作品、佐藤健くんが主演じゃなかったら誰も見ないだろうなぁ~と正直なところ、それくらい地味な物語だし、本もタイトルが違ったら100万部も売れなかったと思う。
    宮崎あおいちゃんがイグアスの滝の前で叫ぶシーンがあるが、絶対、二人の熱愛映画に思えてしまう、そこが宣伝の狙いかもしれないけど。
    友人役の濱田岳、両親役の奥田瑛二・原田美枝子が良い味を出している。

    ④ 映画らしい楽しさが備わっているか?

    小説の段階から映像化を前提に書かれてる、と言う気がする。
    予告にある自転車が宙返りするシーンとかが原作に有るのかは知らないけど、一瞬にしてモノが消えていくシーンとか、地味な物語になるところを工夫しているところ見受けられる。
    なので、映像的にも楽しいのだけど、一方で計算づくと言う感じもする。

    ⑤ エンターテイメント性

    万人向けではないと思う。
    でも、佐藤健と言う超?イケメン俳優と、エンターテイメント系に強い永井聡監督を起用して演出させている。
    函館の街の見せ方とかは良かったと思う、映画祭に行ってたみいなぁ~

    ⑥ 演出が素晴らしいか?

    難しい演出だったと思う、地味で暗い話を抑えた美しい映像で描きながら、抑揚を感じさせてくれた。
    永井聡監督のファンタジー的な演出が、作品に希望を感じさせてくれる隠し味になっていた。

    世界から猫が消えたなら

    ⑦ 脚本が素晴らしいか?

    個人的には、グッと来るシーンが沢山あって、泣けるシーンがいくつか有った。
    それは原作の良さなのか、脚本としての妙味なのか、ちょっと判らないけど。
    元気に生きている観客側が、余命短い主人公に少しずつ共感していけるのは、自分の大切なものを失った時の主人公の悲しみが小物で伝わってくる、これは奥田惠和さんの脚本の上手さ。

    ⑧何度も見たくなるか?

    人によっては宝物のような作品、万人には薦めないけど、人生に迷った時に見たい作品。

    大切なモノを捨てていくことによって、本当に大切なモノは自分自身だと気づかせてくれる。
    そして、何よりも自分がこの世の中で必要なものだと気づかせてくれる、自分は愛させていると感じることができることは大切だから。
    だから、時々見たい・・・そんな作品。

    映画『世界から猫が消えたなら』のデータ

    【キャスト・スタッフ】
    佐藤健 ※宮崎あおい 濱田岳 奥野瑛太 石井杏奈 奥田瑛二 原田美枝子

    ※宮崎あおいさんの「崎」は正しい文字が環境により表示できないため、「崎」を代用文字としています。

    原作:川村元気「世界から猫が消えたなら」
    監督:永井 聡
    脚本:岡田惠和
    音楽:小林武史

    公開日■2016年5月14日
    公開情報■全国東宝系にてロードショー

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    公式サイトはこちらから

    【ストーリー】
    これは、余命わずかな僕に起きた、やさしい「愛」の物語。

    余命わずかの30歳郵便配達員の前に、自分と同じ姿をした悪魔が現れた。
    世界から電話、映画、時計、そして、猫が消える…?
    もしも、大切なものを一つ消すこととひきかえに、一日の命をもらえるとしたら。

    もし僕が「余命わずか」と宣告されたなら・・・
    僕は30歳の郵便配達員。愛猫・キャベツと一緒にふたりぐらし。ある日の午後。あまりにひどい頭痛がするので病院にいってみたら、脳に腫瘍ができて、余命わずかと宣告されてしまった。l

    そんな僕の目の前に「悪魔」が現れたなら・・・
    僕が、もうすぐ死ぬ?そんなこと簡単に受け入れられるはずがない。ショックで呆然とする僕の前に、ひとりの男が現れた。その男は、なんと僕だった。いや、違う。僕と同じ姿形をした(僕より指がちょっとだけ長い)悪魔だ。うろたえる僕に悪魔がささやいた。「世界からものを一つ消せば、一日の命をあげる」。ただし消すものは、僕にとって大切なものじゃなきゃダメらしい・・・
    (C)2016 映画『世界から猫が消えたなら』製作委員会

  • 映画『君の名は。』  オッサンでも感動できる青春映画の傑作登場!

    映画『君の名は。』 オッサンでも感動できる青春映画の傑作登場!

    映画『君の名は。』  your name.

    君の名は。

    まだ会ったことのない君を、探している

    『君の名は。』  聖地巡礼 東京編計画書 はこちらへ

    遂にBlu-ray&DVDが発売!

    【Amazon.co.jp限定】「君の名は。」Blu-rayコレクターズ・エディション 4K Ultra HD Blu-ray同梱5枚組 (初回生産限定)(早期購入特典:特製フィルムしおり付き)(オリジナル特典:描き下ろしA4特製フレーム高画質印刷+特殊加工ポストカード2枚組付き) — Amazonで見る

    予想外の展開が待っている!これから映画を観る人へ

    新海誠監督+川村元気プロデューサー(企画・プロデュース)作品。
    決して新海誠ファンではないけど凄かった!

    もちろん日本映画は沢山見るし、ジブリ作品も見る、50のオッサンだからヤマトやガンダム、999を通過した世代、アニメ大好き世代でもあるけど、単なるラヴコメ・アニメを見たいとも思わない。

    それらを全部、見事に良い意味で予想を裏切ってくれる作品。

    『秒速5センチメートル』(07年)、『言の葉の庭』(13年)など意欲的な作品を数多く作り出してきた気鋭のアニメーション映画監督・新海誠、と言う前説はあるものの、私は見たこともなかった。
    世界的に既に有名なアニメーター(演出家?)で、精密な風景描写や色彩の豊かさも評判になってるのは知ってるくらい。
    夢の中で、少年少女が入れ替わる、と言うどこかで聞いたことの有るような話。
    まぁ~ハッキリ言ってオジサン世代にとっては大林宣彦監督の『転校生』へのオマージュを感じずにはいられないし、途中でどこかで『時をかける少女』になるのでは?とも想像してしまう。

    印刷用_君の名は。_サブ01【7月5日差替】

    この作品、映画館で見る、と言う価値がある美しい映像が広がる、日本のアニメーションの品質の高さとも言えるけど、この映画は単なるラヴコメではない壮大な物語を展開していく、それにふさわしい映像が展開されていく。
    そして・・・
    予告に流れるお話はほんの序章に過ぎず『時をかける少女』への展開も想像できるけど、そこからが予想外の展開が待っている!

    高校生の心情が見事に描かれていて、そこは友情だったり、先輩への淡い想いだったり・・・
    そこから青春の1ページに収まらない物語が展開していく。
    若い人たちには、きっと壮大なSFチックな恋愛青春映画に映るんだと思う。
    でも、オッサンにしてみると「そう青春ってこういうもんだった」と思い返しながら、それは続いていつかまた青春に出会うのかも?と思わせてくれる、そんな不思議な青春映画になっている。

    この夏!(もう残暑だけど)絶対見たほうが良い青春映画、いや若者だけじゃなくて、どんな年代でも人との出会いの大切さを感じることができる作品!

    ちなみに宣伝的に、詳しい情報を書いとくと・・・
    作画監督を務めるのは『千と千尋の神隠し』(01年)など数多くのスタジオジブリ作品を手掛けた、アニメーション界のレジェンド・安藤雅司。
    また『心が叫びたがってるんだ。』(15年)などで新時代を代表するアニメーターとなった田中将賀をキャラクターデザインに迎えるなど、日本最高峰のスタッフがスタジオに集結。
    あっ、田中将賀さんのファンも多いらしい。
    そして主題歌を含む音楽は、その唯一無二の世界観と旋律で熱狂的な支持を集めるロックバンド・RADWIMPSが担当する。

    夏休みの劇場は、高校生・学生であふれかえっていた。

    君の名は。

    私的『君の名は。』 ここからは思いっきりネタバレ!要注意!!

    ① テーマが有るか?共感できるか?

    ここからはネタバレで行くので、見てない人は見てから読んでください。

    「運命の出会い」=赤い糸を、さかのぼって物語にするとこうなるんだろう、と言う想像からできた気がする。
    だからラスト・シーンの「君の名前は?」に運命を感じるんだと思う。

    そう観客の一人ひとりの運命の出会いの裏側には実は壮大な物語があるのかもしれない。
    それくらい人との出会いって意味があって、意義のあるものと言うのを感じさせてくれる。

    だから歳を取っても、運命の出会いはあるかもしれないし、逆に歳を取っている分、もっと壮大なストーリーが人との出会いにはあるのかもしれない、と思いたい、そう思える作品。

    ② 作り手の強い意思を感じるか?

    企画・プロデュースの川村元気Pは「世界から猫が消えたなら」の原作者でも有り、この物語が新海誠監督主導だったのか、どうなのか興味深いところ。
    後半は怒涛の展開なんだけどディテールが丁寧で、赤い糸の使い方が上手い!

    アラフォー世代が作ってる作品だけど、未だ青春ど真ん中だと思って生きてる人たちの熱意を感じまくった!

    ③ 俳優の意思や演技力が伝わるか?

    今回はアニメなので、さてどう表現したらよいのかなぁ~
    神木隆之介はアニメも沢山やってるから、この手の役は上手い。
    むしろキャラクターデザイン的なところなんだと思うけど、CGではない日本のアニメの良さを感じる。

    あっ、でもこの手のアニメってなんで日本でしか描けないのかな?

    ④ 映画らしい楽しさが備わっているか?

    冒頭の数分間は、30分のTVアニメのような始まり方でちょっと焦った。
    何か狙いが有ったのかな?
    逆にその後の映像とかは、ジブリや細田守監督のような広大な世界が広かっていく。

    そして、なんと言っても映像が美しい!
    これは実写じゃできないよなぁ~と思いつつ。

    ⑤ エンターテイメント性

    青春映画であり、恋愛映画でもあるし、でも若者向けだけでもない。
    身体が入れ替わる話から、タイムパラドックスの話に展開していきながら、実は運命の出会いって、自分の忘れた過去の繋がりから来てる、って思わせる展開、ラストのタイトルを見て「君の名前は?」と本当につぶやきたくなる瞬間、うわーっと来てジーンと来るこの展開には脱帽。

    ⑥ 演出が素晴らしいか?

    映像が心情を表す、この辺が素晴らしい。
    後半をたたみ掛ける展開になるが、前半の丁寧な作りが聞いてくる。
    でも、やっぱりアニメじゃないとできない演出だよね、いつかこれを実写でできる時代が日本にも来るのかな?(興行的に考えたらアニメが良いに決まってるけど)

    君の名は。

    ⑦ 脚本が素晴らしいか?

    主人公の男の子とバイト先の先輩の素敵な女性との会話とか、細かいところの脚本が丁寧で好き!
    もちろん、女の子が朝になるとおっぱいを揉むところとかも・・・
    あとは、主人公の女の子の髪型が変わる理由が後で判るところとも。

    でも、途中から一切予想外の展開、ラストの「運命」を感じさせてくれる展開は凄かった。

    ⑧何度も見たくなるか?

    いつまでも青春でありたい!と願う若い人、オジサンやあらゆる世代の人、どの年代でも見れるし、だからこそ見たい映画。
    既にカップルの人たちも、記憶にないこんな凄い出会うまでのストーリーがあるのかも?と思わせる。

    また、観ようっと(笑)

    新海誠監督作品 君の名は。 公式ビジュアルガイド — Amazonで見る

    映画『君の名は。』のデータ

    【声の出演・スタッフ】
    神木隆之介 上白石萌音 
    成田凌 悠木碧 ※島崎信長 石川界人 谷花音
    長澤まさみ 市原悦子

    ※島崎信長さんの「崎」は正しい文字が環境により表示できないため、「崎」を代用文字としています。

    監督・脚本:新海誠
    作画監督:安藤雅司
    キャラクターデザイン:田中将賀
    音楽:RADWIMPS

    2016年8月26日 全国東宝系にてロードショー

    「君の名は。」Blu-rayスタンダード・エディション — Amazonで見る

    公式サイトはこちらから

    【ストーリー】
    千年ぶりとなる彗星の来訪を一か月後に控えた日本。
    山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は憂鬱な毎日を過ごしていた。
    町長である父の選挙運動に、家系の神社の古き風習。
    小さく狭い町で、周囲の目が余計に気になる年頃だけに、都会への憧れを強くするばかり。
    「来世は東京のイケメン男子にしてくださ―――い!!!」
    そんなある日、自分が男の子になる夢を見る。
    見覚えのない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み。
    念願だった都会での生活を思いっきり満喫する三葉。
    一方、東京で暮らす男子高校生、瀧も、奇妙な夢を見た。
    行ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっているのだ。
    繰り返される不思議な夢。そして、明らかに抜け落ちている、記憶と時間。
    二人は気付く。
    「私/俺たち、入れ替わってる!?」
    いく度も入れ替わる身体とその生活に戸惑いながらも、現実を少しずつ受け止める瀧と三葉。
    残されたお互いのメモを通して、時にケンカし、時に相手の人生を楽しみながら、状況を乗り切っていく。
    しかし、気持ちが打ち解けてきた矢先、突然入れ替わりが途切れてしまう。
    入れ替わりながら、同時に自分たちが特別に繋がっていたことに気付いた瀧は、三葉に会いに行こうと決心する。
    「まだ会ったことのない君を、これから俺は探しに行く。」
    辿り着いた先には、意外な真実が待ち受けていた……。

    出会うことのない二人の出逢い。運命の歯車が、いま動き出す

    (C)2016「君の名は。」製作委員会